ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
実用英語技能検定、いわゆる英検は5級から1級まで7段階(準2、準1級含め)の階層に分かれ、最も難関の1級では約10,000~15,000語が求められるそうです。
一般的に、日常会話で必要な語彙数が3,000~4,000語だそうなので、1級合格者は非常に高い語彙力を持っていると言えますね。
英検1級レベルの単語、cleaveとは?
日本最大級の統合型オンライン辞書・百科事典サービスを提供するサイト、Weblioによればcleaveという英単語は英検1級レベルに位置づけられています。
この単語は辞書を紐解いてみると大きく2つの意味が見つかるのですが、以下の通り全く正反対の意味を持っていることが分かります。
1.割る、裂く
2.くっつく、しがみつく
同じ単語で、離れたりくっついたりと忙しい(?)単語ですね。もし文脈で意味を逆に取り違えてしまったら大変です。
なぜ正反対の2つの意味を持つのか?
では、全く同じ単語で、なぜ正反対の意味を持つのでしょうか?
その答えは語源を尋ねると見えてきます。
1.割る、裂くという意味のcleaveの語源
From Middle English cleven, from the Old English strong verb clēofan (“to split, to separate”), from Proto-West Germanic *kleuban, from Proto-Germanic *kleubaną, from Proto-Indo-European *glewbʰ- (“to cut, to slice”).
中英語cleven、古英語の強変化動詞clēofan「割る、裂く」、西ゲルマン祖語*kleuban、印欧祖語*glewbʰ-「切る、薄く切る」から。
(参照:en.wiktionary)
2.くっつく、しがみつく方のcleaveの語源
From Middle English cleven, a conflation of two verbs: Old English clifian and Old English clīfan, both ultimately from Proto-Indo-European *gleybʰ- (“to stick”).
中英語cleven、古英語の2つの動詞clifianとclīfanが融合したもので、どちらもルーツは印欧祖語の*gleybʰ-「くっつく」に由来。
(参照:en.wiktionary)
ご覧の通り、遡れば異なるルーツに端を発する2語が時代を経て同一の綴りに落ち着いていたのですね。
引用から、中英語の時代(概ね1100年~1500年頃)にはどちらの意味の単語もclevenという語形になっていたようです。
ただし、かつての英語は現代よりも複雑に語形変化をしました。動詞も、主語の人称、時制に応じて形を変化させていたのです。
clevenは不定形(変化する前の形)ですが、例えば過去形は意味によって以下の通り語形が異なっていました。
1.割る、裂く方の過去形 :clef, claf, clefte等
2.くっつく、しがみつく方の過去形:cleved
このように実際の使用上は語形が異なるため、使い分けができていたのだろうと思います。
ところが14世紀頃になると、1の方でも過去形でclevedが用いられるようになりました。
中英語の時代、語尾に-edを付けて過去形を作る方が規則的で弱変化動詞と分類され、それ以外は強変化動詞と分類されました。
それがclevenに於いては弱化したために1と2の意味両方で過去形がclevedとなったのです。更に主語の人称に応じた変化も三単現の-sを除いて無くなると、いよいよclevenの区別は語形からは見つからなくなってしまいます。
しかしどちらも記録に残り、現代では正反対の意味が並立しているというわけですね。
最後に
今回は、英単語cleaveについて調べてみました。
同じ綴りで全く異なる意味を持つという非常に珍しい単語でしたが、そのわけは異なるルーツにあったのですね。
ただ平素においては、より一般的なsplitやseparate「割る、分ける」及びstick「くっつく」を使った方が分かりやすいですね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。
