【どちらも「前に」】接頭辞"pre-"と"pro-"の違いとは?【実例で解説】

2023/03/08

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

外国語学習において語彙力のアップは重要な課題の1つですが、効率的に取り組む方法として「接頭辞」を知るというものがあります。

Googleで「接頭辞 英語」で調べるだけでも関連する情報が豊富に得ることができます。こうした「接頭辞」の機能に着目するという方法は、特に「英単語の語源図鑑」という本で一層知られるようになったのではないでしょうか。

同書ではイラスト付きの解説により視覚的イメージとともに英単語を学ぶことができます。

ということで今回は「接頭辞」について考えてみたいと思います。


英単語の接頭辞について

そもそも英単語には様々な接頭辞が使われています。あくまで個人調べですがその由来は3つのルーツに分けられると思います。

1.ラテン語由来(例ad-com-de-re- 等)

2.ゲルマン系由来(例be-for-with- 等)

3.ギリシャ語由来(例anti-cata-sym- 等)

詳細は割愛しますが、おおむね由来となった言語で似た形が前置詞として用いられていることがあります。

つまり接頭辞は前置詞から派生し、動詞と一体化したと言えるのかもしれません。

また上のようにルーツが3つもあるので、中には意味が同じ接頭辞が併存することもあります。

例えばラテン語由来の"com-"とギリシャ語由来の"sym-"はどちらも「共に」という意味を持ちます。何となく語形も似ていますね。

接頭辞は単体では機能しないので、語幹と結合する必要があります。

興味深いのは、接頭辞と語根でルーツが異なっていても結合している単語が豊富にあるということです。

簡単に例を挙げると、"restart"「再起動する」という単語はラテン語由来の接頭辞"re-"とゲルマン系の語根"start"が結合した形です。

英語は歴史的に様々なルーツが集まっていますが、そうしたルーツの融合が英語の個性的な点と言えるのではないでしょうか。


接頭辞"pre-"と"pro-"の違いとは?

ラテン語に由来する接頭辞の中に"pre-"と"pro-"という、形のよく似た2種類があります。

どちらも「前に」というイメージを持つ接頭辞ですが、どう違うのでしょうか。

その違いは、順番・時間的に前か、方向・空間的に前かという点にあります。

1.pre-

順番・時間的に「前に」、英語"before"に相当。

2.pro-

方向・空間的に「前に」、英語"forward"に相当。

つづりが似ているだけに、どちらの接頭辞だったか混乱を避けるためにもイメージの違いまで押さえておきたいところですね。


よく似た"premise"と"promise"の使い分けは?

以上を踏まえて、よく似た接頭辞の"pre-"と"pro-"を持つ単語に次の例があります。

① premise

 promise

語根がどちらも"mise"ということで、見間違えてしまう程よく似ています。

この単語の持つ意味について、接頭辞と語根の持つイメージから考えてみましょう。

まず、接頭辞"pre-"と"pro-"のイメージは既に述べた通りです。

次に語根"mise"についてですが、これはラテン語の動詞"mitto"「送る、置く」の過去分詞形"missus"に由来します。

これを接頭辞+語根でまとめると以下のようになります。

 premisepre「順番・時間的に前へ」+ mise「送る、置く」

 promisepro「方向・空間的に前へ」+ mise「送る、置く」

では辞書で定義された意味を確認してみましょう。

 []土地、屋敷、前提、根拠、[]前提とする、前置きとして述べる

 []約束、見込み、兆し、[]約束する、期待して待つ、見込みがある

どうでしょう、こうして考えると"pre-"と"pro-"という接頭辞の役割がしっかりと機能していることが分かりますね。


"premise"「土地、屋敷」という意味の由来は?

ただ、接頭辞と語根に分けても"premise"が名詞の用法で持つ意味「土地、屋敷」というのはよく分かりません。

これはどう考えればよいでしょうか。

実は語源を遡ると以下の背景が存在しているのです。

In legal documents it meant "matter previously stated" (early 15c.), which in deeds or wills often was a description of a house or building, hence the extended meaning "house or building, with grounds" (1730).

対訳:法的文書において「前述の事項」(15世紀初め)という意味で用いられ、証書や遺言書では大抵それが家屋や建物についての記述であったことから、「土地付きの家屋、建物」という意味に拡大した(1730年)。

(出典:Online etymology dictionary

つまり、本来は「(時間的に)前に送る、置く」というイメージの通り、「前述の事項」という意味があったのですが、特定の文書では「前述の事項」が家屋や建物に言及していたという歴史的背景から現代の「土地、屋敷」という意味を持つようになったという訳でした。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は接頭辞について考えてみました。

接頭辞を知れば、確かに英単語の意味をよりイメージしやすくなりますね。

ただ今回ご紹介した"premise"のように、歴史的背景から新たな意味を担う単語もまたあるので注意が必要かもしれません。

接頭辞や語根というパーツも1つの側面として、英語学習を効率化させるために上手に活用していきたいですね。

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様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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