ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか。
先日誕生日を迎えた子供に、「タッチペンで音が聞ける!はじめてずかん1000(小学館)」という本を贈りました。
タイトルの通り1000の単語が、「どうぶつ」や「のりもの」「たべもの」などカテゴリー毎に写真・画像つきで収録されています。
単語や写真・画像をペンでタッチするとその名前を教えてくれます。日本語だけでなく英語の名前も聞くことができるのが嬉しいですね。
ボードブック(各ページが厚紙に印刷されている)形式で作りも頑丈です。小さい子がページを繰っても皺になったり破れたりすることがありません。
うちの子供も暫くすると使い方に慣れ、一人でタッチペンでページをとんとんしては日本語や英語の音を楽しんで聞いているようです。
一緒にずかんを眺めていると、"butterfly"「蝶々」という単語に目が留まりました。
今までは当然のように"butterfly"という単語を暗記してきましたが、改めて考えるとなぜ"butter"の"fly"なのでしょうか。
今回は英語"butterfly"という単語について調べてみたいと思います。
なぜ"butter"「バター」の"fly"「虫」なのか?
英語"butterfly"は、"butter"と"fly"の2語に分解することができます。
それぞれの単語を辞書で引けば"butter"は「バター」であること、"fly"は「ハエ」もしくは「飛ぶ虫」を指すことがすぐに分かると思います。
つまり"butterfly"で「バターの虫」ということになりますが、なぜそのような命名がなされたのでしょうか。
調べてみると複数の説が見つかりました。以下に1つずつ紹介したいと思います。
1.昔の人の考え説
最も受け入れられている説です。Online
etymology dictionaryにおいて"butterfly"の語源は以下のように示されています。
Perhaps based on the old notion that the insects (or, according to Grimm, witches disguised as butterflies) consume butter or milk that is left uncovered.
対訳:おそらく、昆虫(またはグリムによるところの蝶々に姿を変えた魔女たち)が、むき出しのバターかミルクを接種するという古い考えに基づく。
出典:Online
etymology dictionary
バターやミルクを開封状態で放置しておくと蝶々に食べられるぞ、ということが昔は考えられていたのでしょうか。
引用中のグリムは、19世紀にドイツ各地で昔話を収集し「グリム童話」を編纂したグリム兄弟のことかと思いますが、「蝶々に姿を変えた魔女」というのはとても童話的ですね。
2.翅(はね)の色説
もう1つは、蝶々の翅の色に由来するという説です。
simply because the pale yellow color of many species' wings suggests the color of butter.
対訳:単純に多くの種の翅に見られる淡い黄色がバターの色と連想されたため。
出典:Online
etymology dictionary
蝶々には様々な種類が存在していますが、淡い黄色の翅を持つ蝶々が確かにイメージとしてはすぐに浮かびます。
調べたところ、ナミアゲハが淡い黄色の翅の持ち主のようです。アゲハチョウの仲間にも、翅が青い種もいるようで、蝶々の世界も個性豊かなことが分かります。
その色からバターが連想されたということから、ナミアゲハ等の種がヨーロッパでも主流だったということでしょうか。
3.糞の色説
最後に紹介するのは、色の連想とはいえ糞に由来するというものです。
Another theory connects it to the color of the insect's excrement, based on Dutch cognate boterschijte.
対訳:他の説では、オランダ語boterschijteに基づいて昆虫の糞の色に関連付けられる。
出典:Online
etymology dictionary
蝶の糞は見たことがないのですが、バターのような色なのでしょうか。挙げられているオランダ語"boterschijte"を知らべてみると、"boter"「バター」と"schijte"「糞」(英語:"shit"に相当)の複合語だと分かります。
糞の色と食べ物のバターを関連付けるのはどうかと思いますが、この説も面白いですね。
ドイツ語の「蝶々」も食べ物に由来?
英語"butterfly"には少なくとも3つの説があることが分かりました。
とはいえ、1つ目の「昔の人の考え説」がやはり信ぴょう性が高いと思います。
そう考える理由として、ドイツ語の「蝶々」の語源を紹介します。
ドイツ語では「蝶々」を"der
Schmetterling" [デア・シュメッタリング]と表現します。
※"der"は定冠詞で英語の"the"に相当します。
この単語の語源を尋ねると面白いことが分かります。
From an East Central German dialect word, equivalent to Schmetten (“cream”) + -ling, due to an old belief that butterflies eat milk products or, in a more ornamented form, that witches transform themselves into butterflies in order to steal such products.
対訳:東中部ドイツ語の方言、Schmetten(「クリーム」)に相当する語に-lingのついた形から。これは蝶が乳製品を食べる、または魔女が乳製品を盗むため姿を蝶に変えるという昔の人の考えから。
出典:en.wiktionary.org/wiki/Schmetterling
英語では「バター」が用いられたのに対しドイツ語では「クリーム」ですが、語源としては上で挙げた1つ目の説と同じであることが分かります。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は英語"butterfly"の語源を調べて紹介しました。
古い時代の俗信が語源となり、現代英語やドイツ語に息づいていると言えそうです。
今後も興味深い語源があれば当ブログにて紹介していきたいと思います。