ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
ことわざに、「目は心の窓」というものがあります。たとえ表情や言動を取り繕っていても、本心や感情は目を通して表出してしまうものだという意味で使われます。
壁に囲まれた建物・部屋であっても、窓を通じて中は伺えることになぞらえたことわざです。
目と窓の関係とは?
「目は心の窓」というのはあくまでものの例えですが、英語でも似たように表現します。
The eyes are the
window to the soul. 「目は魂への窓である」
そもそも「目は心の窓」とは、古代ギリシャの哲学者・プラトンが自身の著書で述べていた言葉とされています。
紀元前に端を発する言葉が現代でもことわざとして残っていることから、人間というのは本質的には不変なのだと思わされます。
ところで、目と窓の関係と言えば英語windowの語源について興味深いものがあります。
「窓」を意味するwindowですが、語源的にwind + owの組合せにより成り立っています。
前者windは「風」であることは一目瞭然ですが、後のowとは一体何のことでしょうか。
実は、owは「目」のことです。
windowは古ノルド語に由来し、北欧からブリテン島にやってきたヴァイキングにより英語へもたらされました。
これによって、もともと英語で「窓」を意味していた単語は駆逐されてしまうのですが、かつての古英語で「窓」はeagþyrl(直訳「目の穴」)とかeagduru(直訳「目の扉」)と言われていたのだそうです(参照:Online Etymology Dictionary)。
いずれにしても目と窓の関係深さが伺えますね。
スラヴ語圏の窓は「開くの」?
目と窓の関係は英語に限らず、スラヴ語圏にも見られます。
例えばロシア語でокно(okno)、ベラルーシ語でакно(akno)と言います※。
※それぞれキリル文字表記(ラテン文字表記)の順に記載。
この単語は、スラヴ祖語*okъnoがルーツとされていますが「目」を意味するоко (oko)と関連があるとされています。okо「目」に接尾辞 *-ъnoがついた形に由来するのではないかというわけです。
ちなみに、ロシア語окно(okno)及びベラルーシ語акно(akno)の発音をカタカナで表すと、[アクノー]のようになります。
どちらも語末の-oにアクセントがあります。ロシア語の場合、ローマ字読みすると[オクノ]ですがアクセントの無い語頭のo-は弱化してa [ア]のような発音になるため、[アクノー]と聞こえるわけです。
まるで窓は開くのかと聞かれているような感じがします。
エストニア語で窓は「開けん」?
ロシア語окно(okno)やベラルーシ語акно(akno)のルーツであるスラヴ祖語*okъnoは、エストニア語へも受け継がれました。
リトアニア、ラトビアと共にバルト三国を構成するエストニアは、地理的にはロシアと国境を接しています。
しかし系統的にはウラル語族のフィン・ウゴル語派の一言語とされ、フィンランド語やハンガリー語と同族言語と考えられています。
つまりインド・ヨーロッパ語族スラヴ語派のロシア語とは全く異なる系統です。
スラヴ祖語*okъnoは系統を越えて、フィン祖語の*akkunaを経てエストニア語に受け継がれたと推定されているわけですが、エストニア語で「窓」はakenと言います。
発音はローマ字読みで[アケン]、まるで「開けん」と言っているようです。
ちなみに、エストニア語の名詞は文中での役割に応じて様々に格変化します。日本語では助詞(て、に、を、は)を添えて名詞の主語や目的語を示すのに対し、単語の語尾を変えることで役割が明示されるわけです。
上で挙げたakenは単数主格形、つまり「(一つの)窓は」という主語を示します。
これが単数属格形ではakna「(一つの)窓の」となり、複数属格形ではakende「(複数の)窓の」と変化します。
これまた、それぞれ「開くな」、「開けんで」と言っているように聞こえます。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「窓」に関する外国語について調べてみました。
ルーツに目との関係があったり発音が「開くの」「開けん」と聞こえたり、いくつかの言語を並べてみると興味深い発見があるものですね。
今後も面白い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。



