ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
効率的に英単語を覚えるため「接頭辞」に注目してみるというのは当ブログでも度々トピックスとして取り上げていますが、それ以前からネットや書籍などで情報がまとめられていますね。
元となる単語に接頭辞を付けることで語彙を増やせるようになるのはもちろん、知らない単語に出くわしたときも接頭辞を手掛かりに意味を類推することも可能になります。
接頭辞mid-とは?
今回は、数ある接頭辞の中でmid-について見てみましょう。
中間の位置や状態にあることを意味する接頭辞です。
midnight「真夜中」やmidair「空中」、mid-thirties「30代半ば」などの表現で使われています。
なおmidnight「真夜中」は午前0時(24時)の一点を指しているので、「真夜中に」という場合の前置詞はatを用います(at midnight)。
また英語版Wiktionaryには用例の一つとして、以下の例文がありました。
He was hit by a ball mid-jump.
日本語にすると「彼はジャンプの最中、ボールに当たった」という訳ですが、このように接頭辞mid-は「動作の最中」を示すこともできるようです。前置詞duringやwhile S +Vの構文を用意するよりもシンプルでいいですね。
midwifeが「助産師」を意味するわけとは?
接頭辞のmid-は、middle「真ん中、中央、中間」に由来していることからイメージがしやすいですね。
では、次の単語はどのように考えればいいでしょうか。
midwife「助産師、産婆」
wifeは主に「妻」を意味する単語ですね。では、接頭辞mid-がついてなぜ「助産師」という意味になるのでしょうか。mid-「真ん中、中央」のイメージが結びつきませんね。
語源を尋ねてみると、実はmidwifeにおけるmid-は「真ん中、中央」という意味と全くの無関係であることが分かります。
c. 1300, literally "woman who is 'with' " (the mother at birth), from Middle English mid "with" (see mid (prep.)) + wif "woman"
対訳:1300年頃、文字通りには「『(出産時の母親と)共にいる』女性」であり、中英語mid「~と共に」(前置詞midを参照)+ wif「女性」から。
(出展:Online Etymology Dictionary)
midwifeにおけるmid-とは「~と共に」という意味の前置詞に由来していたのです。
歴史的に「~と共に」という意味で一般的であった前置詞midは、しかしながら時代とともにwithに置き換えられてしまい、今ではmidwifeという単語の接辞に残るのみとなってしまったのでした。
前置詞withは本来「逆の」意味だった?
歴史的にmidの役割を完全に奪ったwithですが、そのルーツを尋ねると本来の意味は「
~と共に」ではありませんでした。
originally noting opposition, competition, entanglement, but in Middle English shifting to note association or connection; proximity, harmony, alliance.
対訳:もともとは対立、競争、もつれを意味していたが、中英語の時代に関係や関連;近接、調和、連携の意味へと変化した。
(出展:Online Etymology Dictionary)
もともとは、共にするどころか対立という真逆の概念だったのですね。
意味が変わってしまったのは、withと語源を同じくする古ノルド語viðrによる影響が考えられているそうです。
viðrは、「~に対して(英against)」だけでなく「~に向かって、~にて(英toward, at)」という意味もあったそうですが、対面するイメージから対象に向かっていくイメージへの発展は考えやすいのではないでしょうか。
そして対象に向かっていった結果、ついには一緒になるというのもイメージしやすいですね。
なお、withのもともとの意味は以下のような複合語には保たれています。
withhold 「差し控える」
withdraw 「引き抜く、引き下がる」
withstand 「抵抗する、耐える」
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はmidwifeという英単語について調べてみました。
同じmid-を伴う単語とは言え、midnightやmid-thirtiesという表現におけるmid-とは異なっており、またそのルーツも前置詞withとの関係など興味深い発見がありました。
今後もこうした発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。



