ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
ヨーロッパの建築物というと、石やレンガ造りの重厚感ある歴史的な建物が思い浮かびますが、環境面での配慮や建築資材の高騰を背景に、最近では木造建築物に対する注目度が高まっているようです。
「木」を意味する英語いろいろ
英語で、「木」を意味する単語の代表と言えばtreeですね。
漢字で「木」が3つ集まった「森」は英語でforestもしくはwoodsです。なお前者の方がより手つかずで広大な森のイメージがあります。
またwoodsは単数形woodになると「木材、薪」として、加工されたものを意味するようになります。
他にも材料としての「木材」を意味する語にtimber、lumberがあります。
前者はイギリス英語、後者はアメリカ英語という地域性もありますが、イギリスではtimberとlumberは概ね同義で建築用の「木材」を指す一方、アメリカではtimberよりもlumberの方が、より製材加工された「木材」を指すのだそうです。
timberの語源とは?
今回は特に、イギリス英語で建築用の「木材」という意味で用いられるtimberについて調べてみましょう。
この単語のルーツは、印欧祖語の*dem-「家、建てえること」にまで遡ることができるとされています。
英語の歴史において、かつては「建物、構造」というのが本来の意味であったのが後に「建築材料、建築に適した木材を得るために木を育てること」という意味に変わり、更に「木や木材全般」という意味へと拡大していったのだそうです。
(参照:Online Etymology Dictionary)
ルーツを同じくする単語に、ドイツ語のZimmerやオランダ語のtimmerがあります。前者は「部屋」、後者は古い表現ですが「建物、構造、部屋」といった意味であり、本来の意味を受け継いでいる単語だと言えます。
英語においては出来上がった状態としての「建物」の意味から、材料を指す方へ細分化されていったというのは面白いですね。
timberとdomeの関係とは?
timberとルーツを同じくする単語は他にもあります。
例えば、やはり印欧祖語の*dem-を語源とするラテン語domus「家」です。
この単語は英語においてdomeという形になりました。「東京ドーム」という名称でもなじみの、丸い屋根の建築物のことですね。
現代英語では建築物としてのdomeと材料としてのtimberとに別れていますが、ルーツを辿ると二重語と言えます。意味も語形も違うため一見では分かりませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はtimber「木材」という単語について調べてみました。
特に建築用の「木材」を指す単語である、というのは辞書を引けば得られる情報ですが、語源を尋ねることによってなぜ建築用という限定的な意味なのかが理解できますね。
今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。



