ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
卵は栄養素に富み、様々な料理で活躍する食材ですね。
今回は卵を使った料理のひとつ、「目玉焼き」のお話です。
目玉焼きの「目玉」とは何の目玉か?
フライパンに卵を割入れて形を崩さないよう焼き上げる「目玉焼き」。
その名は、焼きあがった表面の白身と黄身を目玉(白目と黒目)に例えたことに由来しています。
調べてみると、ほかの言語においても日本語のように「目玉」を用いた表現が見つかります。
例えば、イタリア語のuovo all’occhio di bue.
直訳すると、「牛の目の(ように焼いた)卵」となります。前半のuovoが卵、後半のocchio di bueが牛の目を意味します。
目玉に例えるのは日本語と同じとは言え、なぜ牛だったのでしょうね。
なお、他にドイツ語圏の一部地域に於けるOchenauge、チェコ語のvolské oko、フィンランド語のhäränsilmäという表現も見つかりました。
いずれも直訳すると牛の目ですが、「目玉焼き」の意味でも用いられる表現です。
スペイン語で「目玉焼き」を何という?
ところ変わって、スペイン語では目玉焼きのことをhuevo estrelladoと表現します。
前半のhuevoが「卵」を意味する単語です。
後半部estrelladoは動詞estrellarの過去分詞形ですが、関連する単語にestrella「星」という名詞が思い浮かびます。
とすると、スペイン語の目玉焼きは「星型の卵」ということでしょうか。
実は動詞estrellarは、主に「粉々にする(なる)」とか「失敗する」のようにあまりよい意味ではありません。
ほかに、「卵を割入れる」という意味は「粉々にする」のイメージから発展したと考えられます。
これが転じて「目玉焼きを作る」という意味になったとも考えられ、つまりはスペイン語huevo
estrelladoは単にフライパンの中で「割って(焼かれた)卵」くらいの意味になるのでしょう。
名詞estrella「星」との関連としては、estrellarseという再帰形のときに「星でいっぱいになる」という意味こそありますが、なぜ主に「粉砕する」等の意味で用いられているのでしょうか。
英語版Wiktionaryの語源の項によればthrough the sense of "to make into a star(shape)", by
smashing.(対訳「叩き潰して「星(形)にする」という意味を経て(派生した)」という解説がありました。
何かが粉々になることが、ちりばめられた星のイメージと重ね合わせられたのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、他の言語における「目玉焼き」の表現について調べてみました。
なお今回は取り上げませんでしたが英語ではsunny side upと言います。sunny sideとは「陽の当たる方」を意味し、それがup「上側にある」ということですが、目玉焼きの黄身を太陽に例えているというわけですね。
今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。


