英語"werewolf"「狼男」の、"were-"とは一体何なのか?

2025/10/27

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか。

狼男とは、満月の夜に人間から狼へと姿が変わってしまうという伝説上の存在です。

英語では、werewolfと表現します。


werewolfの成り立ちとは?

この単語は、遡って中英語期にはwerwolf、古英語の後期にはwerewulfとしての記録もあるそうです。古英語は1000年以上も前の時代の英語を指すことから、「狼男」とは大変古くからの伝説と言えます。

さて、ご存じの通り「狼」は英語でwolfですね。

ということはwerewolfとは、were「?」+ wolf「狼」の組み合わせから成る語だと推測できます。

では、前半部のwereとは一体何でしょうか。

日本語の意味と照合すればwere =「男」であると考えられますが、馴染みがありません。wereと言えば、be動詞の二人称単数や三人称複数の過去形というイメージです(例:you werewe were・・・)。


werewolfwereとは一体何なのか?

実はwereとは、「男」という意味の単語です。

この単語のルーツは、印欧祖語の語根*wi-ro-「男」まで遡るとされます。

古英語の時代にはwerという形でしたが現代では廃れてしまい、werewolfのような単語の一要素として残るのみとなっています。

ちなみに、サンスクリット語virah、アヴェスタ語vira-、ゴート語wair、リトアニア語vyras、ラテン語virが同源の単語とされています(意味はいずれも「男」として)。

概ね古語ですが、興味深いことにリトアニア語ではvyrasが現役です。同言語が、古代の印欧祖語の特徴を色濃く残す言語だと言われる所以ですね。

話がそれましたが、以上のことからwerewolfとはwere「男」+ wolf「狼」から成り立っており、日本語とは逆の順番で「狼男」という意味を作りだしていたというわけです。


wereが残る意外な単語とは?

were「男」は単独では廃れてしまい、現代ではwerewolfのような単語の一部に残るのみだというのは上で述べた通りです。

ところで、werewolfの他にもwereが一要素を成している単語があります。

その単語は中学校でも習う基本語彙で誰もがご存じの単語なのですが、一体何でしょう。

・・・

正解は、world「世界」でした。

この単語は、古英語の時代woruldとつづられていました。その成り立ちとは、古英語でwer「男」とald「年齢」の組み合わせだったのです。

また、その意味も元々は人間の世俗的な営み(=人間が年齢を重ねること)を指していました。

それが時代とともに意味の発展や変化を経て、現代でいうところの「世界」という意味に至ったというわけです。

英語に於いては現代のつづりからwereの存在をうかがい知ることは難しくなりましたが、例えば同語源のオランダ語wereld「世界」にそのルーツを垣間見ることができます。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回はwerewolf「狼男」について調べてみました。

前半部のwereは、現代では廃れてしまった単語が元になっていたというわけでした。

また、world「世界」の成り立ちにも関係していたというのは驚きでした。

今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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