ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
英単語を効率的に覚えるうえで、接辞(接頭辞、接尾辞)や語根を知っておくことはとても重要です。
例えば接頭辞out-は「外に」や「~以上に」という意味の副詞が元になっていますが、以下の英単語からもoutのイメージが見て取れるのではないでしょうか。
outcome「結果」=out「外に」+ come「来る(もの)」
outdoor「屋外の」=out「外に」+ door「扉(の)」
outlaw「無法者」=out「外に」+ law「法律(の)」
これら3語は、接頭辞が無い"come" "door" "law"単独でも使われる単語ですね。接頭辞はこのように、元に語にくっついて新たな語彙を派生させる役割があると言えます。
"outrage"「激怒」の語源について考える
接頭辞"out-"を持つ英単語は、もちろん上の3語に限らず他にも多くあります。
今回は"outrage"という語について考えてみたいと思います。
「激怒」、または怒りの感情を引き起こす「非道な行為、違反」という意味の単語ですが、out + rageから成り立っているであろう事が推測できます。
"rage"は辞書によると以下の意味があります。
激怒、自然の猛威、激しい欲望
(参照:プログレッシブ英和中辞典(第5版))
"rage"単独でも似たような意味で使われているようですね。
接頭辞"out-"には内から外への「外に」のほかに「~以上、~より勝って」のような用法もあります。
例えば、"outnumber"は「~に数で勝る、より多い」という意味の動詞です。
ということは、"rage"に対する"outrage"は更に激怒した状態というイメージでしょうか。
・・・
実は"outrage"の語源は、out +
rageではありません。なんと、語源的には"rage"との関係も無いのです
"outrage"の成り立ちは"out"と"rage"では無かった!
Online Etymology Dictionaryを紐解くと、"outrage"の真のルーツが見えてきます。
from Old French outrage (中略), earlier oltrage (11c.), from Vulgar Latin *ultraticum "excess," from Latin ultra "beyond".
対訳:古フランス語outage(中略)、古くはoltrage(11世紀)から、ラテン語ultra「~を越えて」から派生した俗ラテン語*ultraticum「過剰」に由来。
(出典:Online Etymology Dictionary)
遡ってみるとフランス語を経て英語に取り入れられたそうですが、そのルーツはラテン語の"ultra"だったのです。"ultra"は語源的にも"out"とは無関係の語です。
しかし古フランス語時代の音や綴りの変化という影響もあってか、民間語源(言語学的に根拠が無いにも関わらず、それらしくこじつけられた語源説)によって、英語ではout + rageという誤ったルーツが信じられたのです。
つまり元は単に「過剰」くらいの意味だったのが、「過剰な(out)怒り(rage)」という誤認によって現代の「激怒、非道な行為」へとなっていったというわけでした。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は"outrage"という語について考えてみました。
見た目に騙されずに語源を紐解いてみると意外な発見があるという好例ですね。
今後もこのような発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。