ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
家族や仲間と食卓を囲むという行為は、ともに食事を楽しみコミュニケーションを深めることで絆を強める効果がありますね。
特に、鍋料理はその最たるものではないでしょうか。
一つの鍋を囲んで皆でとりわけて食べるというのは、強い関係性が無いとなかなかできないでしょうし、だからこそそうした機運を醸成できるとも言えます。
親しい関係性を表す慣用句として、「同じ釜の飯を食う」という表現もありますね。
大皿料理は、友情の証?
興味深いことに、カタルーニャ語においても似たような表現を見つけました。
menjar en el mateix plat.
英語に逐語訳すると"to eat on the same plate."つまり、「同じお皿の料理を食べる(こと)」という日本語訳になります。
しかしカタルーニャ語では、「とても親しい仲である」という意味の慣用句としても用いられるのだそうです。
カタルーニャ語は、スペイン北東部のカタルーニャ州やバレンシア州などにおける公用語です。
そしてこの地域で著名な料理と言えば、バレンシアが発祥とされる「パエリヤ」です。
大きな平たい鍋で、米と肉、魚介、野菜などと共に炊き上げられるパエリヤは日本でも人気料理の1つですが、とりわけて皆で食べるというところは日本の鍋料理と通じるものがあります。
だからこそ、日本の「同じ釜の飯を食う」と似たような慣用句が生まれたのかもしれませね。
なお、カタルーニャ語で"paella"とは本来「フライパン(平鍋)」という意味です。
語源的にも、ラテン語で"patella"「お皿、小さな鍋」がルーツとされています。
もとは調理器具が、料理の名前になっているという点も日本語における「鍋」の用法と似ていますね。
カタルーニャ語"arros"「お米」のルーツとは?
ヨーロッパはご存じの通りお米は主食ではありませんが、お米を使った料理としてはパエリヤのほかにリゾットもあり、まったく食べられないというわけでもありません。
ところで、カタルーニャ語はじめヨーロッパにおける「お米」を意味する単語は、とてもよく似ています。
カタルーニャ語 arros [アロス]
英語 rice [ライス]
ドイツ語 Reis [ライス]
フランス語 riz [リ]
イタリア語 riso [リゾ]
これらは究極的に、古代インドの言葉・サンスクリット語の"vrihi-s"「お米」にルーツがあるとされています。これがギリシャ語の"oryza"を経て、各言語に取り入れられていったためによく似ているのですね。
しかし、カタルーニャ語の"arros"はアラビア語経由だとされています。
他の言語と違って語頭"a-"がついていますが、これはアラビア語圏に於ける定冠詞"al"も一緒に取り入れた為です。英語に置き換えれば、"the rice"という形でカタルーニャ語は「お米」という単語を取り入れたということになります。
なお、イベリア半島における他の言語も同様です。スペイン語、ポルトガル語ではともに「お米」のことを"arroz"と言います。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、カタルーニャ語の表現やパエリアの食材である「お米」について調べてみました。
同じ釜の飯を食うというのは、洋の東西を問わず絆を深めるうえで重要な行為と言えますね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログにて紹介していきたいと思います。