【雑学】なぜ「ダース」は12個一組なのか?

2025/08/13

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

「ダース(英:dozen)」といえば、12個一組を表す単位ですね。

ところが英語圏には"baker’s dozen"という慣用句があり、直訳すると「パン屋の1ダース」ですが、これは「13」という意味で使われます。

なぜパン屋の1ダースは12では無く13なのでしょうか。

一説では以下の話が知られています。

昔々、英国ではパン屋がパンの重さをごまかして販売しているという噂が流れ、対策として規定に満たない重さで販売したパン屋には厳罰が課されることとなったそうです。

それに対し、パン屋は意図せずに誤った重さでパンを販売してしまわないよう、1個おまけして量を増したのでした。1個余分につけていれば、よっぽど既定の重さを下回ることはないでしょうからね。

そうして、「パン屋の1ダース」は12ではなく13を指すこととなったのだそうです。


なぜ「ダース」は12個一組なのか?

とはいえ、なぜ12個一組を指す単位が「ダース(英:dozen)」なのでしょうか。

実は語源を尋ねてみると、"dozen"はそれ自体が「12」を指す単語に由来します。

from Old French dozaine "a dozen, a number of twelve" in various usages, from doze (12c.) "twelve," from Latin duodecim "twelve," from duo "two" + decem "ten". The Old French fem. suffix -aine is characteristically added to cardinals to form collectives in a precise sense ("exactly 12," not "about 12").

対訳:古フランス語dozaine「(様々な用法における)1ダース、12という数」から、12世紀のdoze12」から、ラテン語でduo2」+ decem10」から成るduodecim12」に由来。古フランス語の女性形接尾辞-aineは厳密にいえば集合を表すため、基数に付加されるという特徴があります(つまり「およそ12」ではなく「ちょうど12」)。

(出展:Online etymology dictionary

なお、現代フランス語では「ダース」が"douzaine"で、「12」が"douze"です。「ダース」と「12」の関連がより明確ですね。

ちなみに、英語"dozen"の発音が[ダズン]であるのに対し日本語では「ダース」と表現されるのは、どうやら"dozen"の短縮形"doz"が日本語に取り入れられたからなのだそうです。


スペイン語では「○○の1ダース」?

ところ変わって、他の言語では「パン屋の1ダース」以外の表現が見つかりました。

スペイン語では"docena del fraile"という表現があるのだそうです。

直訳は「修道士の1ダース」("docena"が「ダース」、"fraile"が「修道士」という意味)。

これは修道士が卵を買いに行った際、他の人用の12個に加えて自分用に1個多く購入したことに由来するのだそうです。

他にポルトガル語で"dúzia de frade"、カタルーニャ語で"dotzena de frare"という表現もあるようです(いずれも直訳は「修道士の1ダース」)。

この表現はイベリア半島に起原があるのかもしれません。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は「ダース(英:dozen)」について調べてみました。

「ダース」は語源的にも「(ちょうど)12」という数字に端を発しています。パン屋の1ダースのように多い分にはともかく、12よりも少ない量とされないよう注意していきたいですね。

Translate

このブログを検索

プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

お問合せフォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ