ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
英語には品詞が10種類あるとされており、具体的には以下の通りです。
名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、助動詞、前置詞、冠詞、間投詞、接続詞
今回はこの中から「副詞」を取り上げてみたいと思います。
副詞とは?
副詞は、状態や程度などの状況を説明する役割を持つ品詞です。
英語では"adverb"といいますが、そのルーツはラテン語"adverbum"にあります。
前置詞"ad"(英:"to"に相当)から派生した接頭辞"ad-" + "verbum"「単語、動詞」に由来しています。
"verbum"は現代英語の"verb"「動詞」になりました。しかし元のラテン語では、単語全般を意味していたのですね。
"adverb"「副詞」は、もともと「単語の方へ」という成り立ちが見て取れますが、副詞の役割は動詞や形容詞などの単語を修飾するだけにとどまらず、句や節、文全体をも修飾することができます。
なお、時代を遡って古英語の時代にはゲルマン語起源の"biword" [ビーウォルド]という語が「副詞」を意味していたそうです。
こちらは前置詞"bi"「近くに、側に」から派生した接頭辞"bi-" + "word"「単語」に由来しており、つまり「(修飾語の)近くに置かれる単語」が原義だと理解できます。
ラテン語由来の"adverb"、ゲルマン語由来の"biword"どちらも似たイメージにルーツがあるというのは面白いですね。
英語"ago"はもともと副詞ではなかった?
状態、程度、場所、時間などなど。
副詞が担う範囲は多岐にわたりますが、今回は過去の時間を表す際に用いられる副詞"ago"について調べてみました。
「…前に」という意味で、過去のことを述べる際に用いられる副詞ですが、実はルーツを遡ってみると本来は副詞では無かったのです。
Online Etymology Dictionaryによると以下の通り解説されています。
a shortened form of agon "departed, passed away," past participle of a now-obsolete verb ago, agon "to go, proceed, go forth, pass away, come to an end,"
対訳:現代では使われなくなった動詞ago、agon「行く、進む、前進する、過ぎ去る、終わりに達する」の過去分詞形agon「去った、過ぎ去った」の短縮形。
(参照:Online Etymology Dictionary)
もとは副詞ではなく、動詞の過去分詞形だったのです。
一見では分かりにくいですが、"ago"の成り立ちは"a-" + "go"と考えられています。
"a-"は「離れて(英:"away")」、"go"は現代語同様「行く」という意味から、したがって"ago"は本来「過ぎ去る」という意味で、その過去分詞形"agon"は「過ぎ去った」となるわけです。
考えてみると、現代の副詞としての"ago"は単独で用いられません。
例えば"ten years ago"「10年前に」や"a long time ago"「ずっと昔に」のように、時を表す単語の後に続きます。
これはつまり、もともと"ten years"「10年」が"ago(n)"「過ぎ去った」とか、"a long time"「長い時間」が"ago(n)"「過ぎ去った」という表現だったといえます。
なお、"ago"の副詞としての用法は14世紀後半から見られるそうで、歴史的に見てもずいぶん前から定着していたのですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は副詞について調べてみました。
様々な種類がある副詞の中でも"ago"は基礎的な英単語ですが、改めて調べてみると興味深い発見がありました。
今後も面白い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。