ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
直立している人間の身体において、「頭」は一番上に位置するパーツになります。
日本語では頭を「かしら」とも読んで、グループにおける長を指すことがありますが、これは人間の頭が一番上に位置することに由来するものと思います。
また、「頭(あたま)から」という表現が「初めから、いきなり」という意味で使われることがあります。
こうした例を見るに、日本語において「頭」は比ゆ的に一番上や初めの意味でも使える言葉だと言えますね。
「シェフ」、「チーフ」の語源とは?
「頭」という語からグループの長という意味の派生は日本語以外にも見られます。
レストランやホテルの厨房を取り仕切る料理長のことを「シェフ」と言いますが、これはフランス語"chef"に由来する外来語です。
そして"chef"の語源は、ラテン語"caput"「頭」に由来しているのです。
なお、フランス語における"chef"は料理長に限らず「リーダー、上司」という意味でも使われる単語です。
また英語には"chief"「チーフ」という単語があり、日本でも「チーフプロデューサー」のように役職名で使われる通り、グループの長を意味します。
この"chief"ですが、フランス語"chef"とよく似ています。それもそのはずでこの単語は、ラテン語の"caput"に由来し古フランス語を通じて英語に取り入れられたという歴史があるのです。
「頭」は最初? イタリア語の場合
頭という語が、「初め」の意味で用いられる例はイタリア語においても見られます。
イタリア語の"da capo" [ダ・カーポ]という表現です。
音楽の授業で見覚えがあるのではないでしょうか。楽譜の終わりに添えられて、初めに戻るよう指示する記号のことです。
楽譜での用途と同様、「初めから」という意味です。
なお、イタリア語の"capo"は「頭」という意味のほかに「長、トップ、先端、岬」という意味があります。
一番上というのは見方を変えれば先端部分であるとも言えますが、そこから「先端、岬」という意味が派生しているのが想像できます。
また、もちろんイタリア語の"capo"もルーツはラテン語の"caput"に遡ります。
「頭」は最後? スペイン語の場合
イタリア語の"capo"「頭」は、ほかに「先端、岬」という意味もあると見ました。
ところ変わってスペイン語では、「端、岬」という意味の"cabo" [カーボ]なる単語があります。
ルーツはやはりラテン語の"caput"です。
しかしながらスペイン語"cabo"の場合は、トップよりも「端」のイメージから最後にまつわる語になったようです。
実際に、"acabar" [アカバール]という「終える、終わる」という意味で用いられる動詞があります。
この動詞は接頭辞"a-"「~へ(英"to"に相当)」+ "cabo"「端」+ "-ar"(動詞不定形語尾)から構成されており、「端に至る」=「終える、終わる」という意味になったものと考えられます。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、「頭」に関連する単語について調べてみました。
今回取り上げたフランス語"chef"、英語"chief"、イタリア語"capo"、スペイン語"cabo"はどれもラテン語"caput"にルーツがありました。
しかし言語によってイメージの変化が生まれた結果、微妙に違う見方での意味が派生しているというのは面白いですね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログにて紹介していきたいと思います。