ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
過度な消費や支出というのは考え物ですが、反対に極端な物惜しみもいいものではありません。
必要なものにも極端に支出を惜しむことや利益を独り占めしようとすること（またはその人）は「けち（な人）」と言われますが、この「けち」は古く怪事（けじ）と言われ、縁起の悪いことや不吉なことを意味したそうです。
次第に音や意味が変化して現代の用法が派生したものとされています。
（参照：etymology-encyclopedia.com/kechi/）
今回は、「けち」を表す外国語のうち興味深い表現をする単語を3つ、紹介します。
１．英語"Skinflint"
「けち」とか「強欲」の意味にあたる英語に"skinflint"というのがあります。
この単語は慣用表現"skin a flint"（直訳：火打石を剥く）「利益や節約のためにはどんな手段でも使う」に由来します。
from the brittleness and hardness of flint which makes it almost impossible to remove just its skin without shattering it.
対訳：その脆さや硬さのため粉々にすることなく火打石の表面だけを剥くことは不可能なことから
（出典：en.wiktionary）
表面を使い古して発火しなくなった火打石を、（その脆さや硬さにお構いなく）何とかしてまだ使おうという考えが「けち」だということなのでしょう。
他に"flay-flint"という表現もあるようで、"flay"も動詞"skin"と同じく「（皮を）剥く」といった意味があります。
２．ポルトガル語"Pão-duro"
ポルトガル語では「けち」に相当する表現として"Pão-duro"という言葉があるそうです。
"pão"は食べ物の「パン」、"duro"は「硬い」という意味であることから、"Pão-duro"は「硬いパン」ということになりますが、なぜ「けち」という意味になるのでしょうか。
from the idea that a miser would rather eat stale bread than spend money buying some.
対訳：けちな人はお金を出して（新しい）パンを買うよりも、古い硬くなったパンを食べるという考えから。
（出典：en.wiktionary）
私も、たまに賞味期限が切れてしまった食品がもったいなく食べてしまうことがあります。
よく言えば「無駄にしない、粗末にしない」と捉えられるかもしれませんが、古いものは避けて新鮮なものを食べるのが一番ですね。
３．ドイツ語"Entenklemmer"
ドイツ南西部のシュヴァーベン地方（Schwaben）では「けち」な人を指して"Entenklemmer"という表現があるようです。
"Ente(n)"「あひる（を）」"klemmer"「押さえつける（人）」で、なぜ「けち」な人になるのでしょうか?
Der Entenklemmer klemmt bzw. drückt der Ente in den Po, um festzustellen, ob die Ente in nächster Zeit ein Ei legen wird. Ist dies der Fall, darf die Ente nicht aus dem Stall heraus, damit das Ei nicht draußen im Freien verloren gehen kann.
対訳：Entenklemmerはアヒルのお尻を押さえつけたり締め付けたりして、アヒルが近い将来に卵を産むかどうかを判断します。この場合（注：近く卵を産む見込みの場合）、卵が外で産まれないようアヒルは小屋から出ることができません。
（出典：de.wikipedia）
アヒルが産んだ卵を確実に自分のものとするために、近く卵を産みそうなアヒルを自分の小屋に囲っておいたという話が由来なのだそうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、「けち」または「けちな人」を意味する外国語（英語、ポルトガル語、ドイツ語）を紹介しました。
過度な出費は好ましくないとは言え、過剰なまでの「けち」もまた考え物です。それぞれの感覚で心地よく、無理のない範囲での消費を心掛けたいですね。
