ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
私たち人間にとって、酸素は生きるために必要不可欠な物質です。
ところが2020年に、多細胞生物としては唯一酸素が無くとも生命活動を維持できる生物が発見されたのだそうです。
(参照:https://www.cnn.co.jp/fringe/35149934.html)
酸素を取り込まず、どのように生きているのかは未解明なようですが、いずれにしても驚きの発見です。
一方で人間は生命維持のために酸素を取り込むことが不可欠で、そのための呼吸には「肺」が重要な働きをしますが、今回は英語"lung"「肺」について調べてみたいと思います。
英語"lung"「肺」の原義とは?
英語では"lung"とつづり、あえてカタカナで表記すれば[ラング]のように発音されます。
ちなみに英語と同じくゲルマン祖語という先祖から派生したドイツ語で「肺」は、"Lunge"とつづり[ルンゲ]のように発音します。
一方、ドイツ語で"lang" [ラング]は「長い」という意味の形容詞。
更に、同じくゲルマン祖語をルーツに持つオランダ語で「肺」は"long" [ロング]。つい英語の"long"「長い」を連想してしまいます。
オランダ語で「長い」は"lang" [ラング]、ドイツ語と同形です。
・・・
似たような単語ばかり並べてしまい、ややこしくなってきました。
ところで、英語"lung"「肺」と"long"「長い」はもちろん、ドイツ語やオランダ語でもこの単語は非常に似た語形であることが分かります。
両者には語源的に何か関係があるのでしょうか。
Online etymology dictionaryによると、lungの語源は以下の通りだとされています。
from Old English lungen (plural), from Proto-Germanic *lunganjo- (中略), literally "the light organ," from PIE root *legwh- "not heavy, having little weight"
対訳:古英語lungen(複数形)、ゲルマン祖語*lunganjo-から(中略)、原義は「軽い臓器」、印欧祖語の語根*legwh-「軽い、重量の少ない」がルーツ。
(出典:Online
etymology dictionary)
語源を遡れば「長い」ではなく、「軽い」と関係があったとのこと。
肺は右と左にありますが(古英語期の複数形の所以かもしれません)、それぞれ成人における重さは500~600g程度なのだそうです。
他に肝臓が1,000~1,500g程度、心臓が200~300g程度ということを見るに肺が特別軽い臓器とも思われませんが、無数の肺胞から成るスポンジ様の見た目(?)が、その名前に影響を与えているのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は英語"lung"「肺」について調べてみました。語形こそ"long"「長い」と似ていますが、その原義は"light"「軽い」にあったのですね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。