ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
「クレープ」というと、我々がイメージするのは生地でクリームやフルーツ、アイスなどを円錐状に包んだものではないでしょうか。
手で持って食べ歩きもできるので気軽なファストフードの一面もありますね。
ところが、このスタイルは日本で生まれたもので本場フランスでは無かった食べ方なのだそうです。
フランスではお皿の上に盛り付けられて提供され、フォークとナイフを用いて食べるのだとか。また日本のクレープと違い温かい状態で食べるのが主流なのだそうです。
フランス語crêpeは男性名詞か女性名詞か
「クレープ」はフランス語でcrêpeと綴ります。
フランス語の名詞は全て性別(男性か女性)と数(単数か複数)の区別を持ち、それらと冠詞や形容詞の語形を揃える必要があります。
ではcrêpeの性別はどちらでしょうか。
実は男性名詞と女性名詞の両方があり得ます。ただ、どちらでもよいかと言えばそういうことではなく、男性か女性かによって意味が異なります。
ここで話題に挙げている食べ物のクレープは女性名詞の方です。一方で男性名詞の場合は織物の「縮緬(ちりめん)」または「喪章、黒いベール」を意味します。
「クレープ」と「クリスプ」の関係とは?
フランス語crêpeのつづりをよく見てみると、最初の-e-の上に山形の記号が載っています。
これはアクサン・シルコンフレクスと言って、正書法上かならず記載しなければなりません。
つづり上でアクサン・シルコンフレクスが付くケースは概ね以下の2つが考えられます。
・同じつづりの単語を区別するためのもの。
・かつてのつづりに子音-s-があったことを示すもの。
前者は例えばsurとsûrのような区別です。記号の無い方は「~の上に」という意味の前置詞であり、記号つきの方は「確かな」という意味の形容詞です。
今回のcrêpeにある記号は後者に由来するものであり、すなわち昔は子音-s-が存在していたのです。
Substantivisation of Old French crespe, from Latin crispus,
対訳:ラテン語crispusに由来する古フランス語crespeの名詞形
(出展:en.wiktionary)
見ての通りルーツのラテン語と古い時代のフランス語には-s-が含まれていますね。この-s-が発音されなくなりつづりからも消えてしまい、アクサン・シルコンフレクスにその痕跡が残るのみとなっているのです。
遡るとラテン語のcrispusは「縮れた、カールした」という意味の形容詞でした。このラテン語から派生した英語と言えば、crisp「クリスプ」です。
英語crispは「パリパリした」「サクサクした」という意味の形容詞です。「クレープ」と「クリスプ」は実は英仏間で語源を同じくする単語だったのですね。
英米で異なる「クリスプ」とは?
英語のcrispは名詞で「パリパリの状態」等の意味でも用いられる他に、食べ物を指す単語でもあります。
ところが面白いことにイギリスとアメリカでは指す食べ物が違うのです。
イギリスでcrispと言えば「ポテトチップス」を指し、アメリカにおけるchip(s)に相当します。一方でアメリカのcrispは薄く切ったリンゴなどが乗った焼き菓子を指します。
イギリスでchipsと言えば代表料理「フィッシュ・アンド・チップス」にある通り、フライドポテトを指します。
chipsに対する我々のイメージや「ポテトチップス」という外来語はアメリカに由来するものだったのですね。
最後に
今回はフランス語crêpeと英語crispについて調べてみました。2つの単語のルーツは実は同じラテン語crispusにあったのですね。
crispについては英米で異なる食べ物を指すというのも興味深い発見でした。
今後もこのような発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。
