ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
綴りが全く同じでありながら全く異なる意味を持つ語のことを、同綴異義語(どうてついぎご)と言います。
綴りは全く同じですから、どの意味で用いられているかについては文脈から把握する必要があります。
ドイツ語の同綴異義語
ドイツ語における同綴異義語の区別には、文脈から把握するほかにも以下の方法があります。
1.名詞の性で区別
ドイツ語の名詞は性を持ちます。すなわち単語によって、男性名詞、女性名詞、中性名詞のいずれかに分類されるのです。
例えば、See [ゼー]という単語は「湖」または「海」という2つの意味がありますが、前者のときは男性名詞、後者のときは女性名詞とされます。
性が異なると冠詞が異なり、男性名詞の定冠詞はder、女性名詞の定冠詞はdieという形をとります。つまりder Seeなら「湖」、die Seeなら「海」です。
2.名詞の複数形で区別
単数形のとき綴りが全く同じであっても複数形になると異なる語尾をとる単語があります。
例えば、Bank [バンク]という単語は「ベンチ」または「銀行」という2つの意味があり、どちらの意味でも女性名詞です。冠詞をつけたとして単数形においてはどちらもdie Bankとなります。
しかし複数形になると、「ベンチ」という意味の場合はdie Bänkeであり、「銀行」という意味ではdie Bankenとなり形が異なるのです。
なお複数形につく冠詞はdieであり、単数の女性名詞の場合と同形です。
3.発音で区別
動詞において、強勢(アクセント)の位置が異なる単語があります。
übersetzen [ユーバーゼッツェン]
この動詞は、前半のüber-にアクセントがあるときは「翻訳する」という意味ですが、後半の-setzenにアクセントがあるときは「(川、海などを)渡る、渡す」という意味で用いられます。
アクセントの場所の決め手は、対象が分離動詞か非分離動詞かによります。
分離か非分離かによって、動詞の活用形も異なってきます。
同綴異義語das Gerichtの意味とは?
上で見てきたように、文法的な規則によっても区別が可能な同綴異義語というものが存在すうのですね。
しかし名詞の性、複数形の語尾、発音のどれをとっても全く同じという純粋な(?)同綴異義語もまた存在します。
例えば、以下の名詞。
Gericht [ゲリヒト]
この単語は、「料理」と「裁判所」という全く異なる2つの意味があります。
どちらの意味であっても中性名詞(冠詞はdas)です。よって定冠詞をつけたとして、das Gerichtと同一形です。
次にどちらの意味であっても複数形の語尾は-eです。よってどちらもdie Gerichteとなり、やはり同一形です(dieは複数形につく冠詞)。
そして最後にどちらの意味であっても発音は同じです。アクセント位置も同じで、-ri- [リ]を強めに発音します。
ということで、das Gerichtについてはどう頑張っても文脈からでしか判断がつかなそうですね。とはいえ「料理」と「裁判所」ではシーンが異なりますので、まず取り違えられることは無いでしょうが。
同綴異義語das Gerichtのルーツとは?
「料理」または「裁判所」という、全く異なる2つの意味はどのようにして生まれたのでしょうか。その背景を探ってみましょう。
英語版Wiktionaryで調べてみると、das Gerichtはいずれにせよ動詞richtenから派生したものと思われます。
そもそも動詞richtenは、遡ればゲルマン祖語*rehtaz「真っすぐな、正しい」の動詞形(すなわち「真っすぐにする、正す」がルーツだと考えられています。
この「真っすぐにする、正す」というイメージから広がり、現代ドイツ語richtenでは「~へ向ける、整える、準備する、裁く」という多様な意味を持つに至っています。
このうち「準備する」から派生したのが「料理」であり、「裁く」から派生したのが「裁判所」だというわけですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はドイツ語の同綴異義語Gerichtについて調べてみました。一つのルーツから見方を変えて異なる意味が派生しているというのは面白いですね。
今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。
