ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
英語は語彙数が非常に多く、著名なオックスフォード英語辞典には60万語を越える語彙が収録されていると言います。
フランス語辞典は最大10万語、ドイツ語辞典は約35万語と比較すれば英語の語彙がいかに多いかが一目瞭然ですね。
これは英語が他の言語から語彙をどんどん取り込んでいることによるものです。ルーツはゲルマン語(ドイツ語やオランダ語などと共通)ですが、フランス語やラテン語、ギリシャ語はじめ様々な言語から語彙を取り込んで発展してきました。
今回は、ギリシャ語に由来する単語について調べてみたいと思います。
ギリシャ語由来の-ody
以下に挙げる単語は、どれもギリシャ語に由来します。
melody メロディ
rhapsody ラプソディ
parody パロディ
この3語には他にも共通点があります。どれも音楽に関係があるということです。
一つ目は日本語で「旋律」とも言いますが音のつながりを指します。二つ目は「狂詩曲」とも言い、自由な形式で作られた楽曲のことです。そして三つ目は元の作品を風刺的に模倣・改変したものを指しますが、本来は詩や歌のもじりのことでした。
なぜこれらが音楽に関係するかというと、共通の語尾-odyがギリシャ語で「歌」を意味するoideに由来するからです。
この3語はそれぞれ以下の構成により成り立っています。
melody = melos「旋律」+ oide「歌」
rhapsody = rhapto「縫う」+ oide
parody = para「並行して」+ oide
一つ目のmelodyは言わずもがなでしょう。二つ目rhapsodyは、自由に「縫い」合わせて構成された歌だと考えられます。三つ目parodyは原曲に「並行して」もじられた歌だと考えることができますね。
tragedy「悲劇」の語源は、何の歌?
ギリシャ語は音楽(詩)に限らず演劇においても英語に豊富な語彙を提供しています。
例えばtheatre / theater「シアター、劇場」はギリシャ語の動詞theaomai「見る、観る」から派生したtheatron「見るための場所」に由来します。
「喜劇」という意味のcomedyもまたギリシャ語に由来します。komos「酒宴、大騒ぎ」+ oide「歌」から成る、komoidiaがルーツです。
英語では語尾が-odyではなく-edyとなっていますが、演劇においても「歌」は重要なパートであることが伺えます。
「喜劇」の反対、「悲劇」もやはりギリシャ語に由来します。英語ではtragedyという形となりましたが、ギリシャ語tragos + oide「歌」から成るtragoidiaがルーツです。
では「悲劇の元となったtragosとは何でしょうか。
tragosとは古代ギリシャ語で「ヤギ」を意味する単語だったそうです。
つまり「悲劇」の成り立ちはtragos + oide = ヤギの歌がルーツだということになります。
ヤギの歌がなぜ「悲劇」なのか?
ヤギの歌がtragedy「悲劇」のルーツとなった背景は諸説あるようです。
The connection with goats may be via satyric drama, from which tragedy later developed, in which actors or singers were dressed in goatskins to represent satyrs.
対訳:ヤギとの関連性はサテュロスの劇を通じてのものと推測されます。後に悲劇へ発展するこの劇では、俳優や歌手がサテュロスを表現するためにヤギ皮の衣装を着ていました。
(参照:Online Etymology Dictionary)
サテュロスとはギリシャ神話に登場する半人半獣(ヤギと人)の姿をした精霊で、そのため演者はヤギの皮を衣装としたのだそうです。
後に代表的な悲劇として発展したことから、ヤギと関連付けられたというのがよく知られる説です。
ただし、他にも「賞金としてのヤギを獲得するために歌手が競い合ったから」などの説や、そもそもヤギとの関係性を疑問視する説もあるようで正確なルーツは分かってはいません。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、tragedy「悲劇」について調べてみました。
正確な由来は分からないとはいえ、ヤギとの関連性は興味深いお話ですね。
今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。



