ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
日本国内の至るところにあるコンビニエンスストア(通称コンビニ)は大抵の食品、日用品を取り揃えており、名実ともに「便利な店」ですね。
特に食品の豊富なバリエーションには目を見張るものがあります。
おにぎりやサンドイッチといった軽食類はもちろん、お弁当も複数展開され、レジ横にはホットスナックもあります。
そんな便利なコンビニであっても、さすがに動物の取り扱いはありませんね。
ところが、最近のコンビニでは「小さなロバ」が売っているというのです。
一体どこで、どのように売られているのでしょうか? 答えは、皆さんもどこかで一度は見たり聞いたりしたことのある代物です。
コンビニにある「小さなロバ」とは?
コンビニの店内にロバがいたら驚きですが、実際に売られている「小さなロバ」は動物そのものではありません。
実は、「ブリトー」のことです。
肉や野菜を、とうもろこし粉や小麦粉で作った生地にくるんで食べる代表的なメキシコ料理のうちの1つですね。
ちなみに生地のことはトルティーヤと言います。
では一体なぜブリトーが「小さなロバ」なのかというと、この単語の成り立ちに答えがあります。
ブリトーは英語で"burrito"ですが、そもそもメキシコの公用語であるスペイン語から借用されました。
スペイン語で「ロバ」という意味の"burro"に、指小辞"-ito"がついて派生した語"burrito"がルーツなのです。
指小辞とは対象に「小さい」という意味を付与する機能があり、よって"burrito"の原義は「小さなロバ」だと言えるわけです。
なお、ブリトーという音は英語圏での発音に準拠していますが本場メキシコでは「ブリート」のように、「リ」を強く発音する方が近いです。
余談ですが似たような例で、ブラボー(英:bravo)があります。もとはイタリア語由来ですが、本場では「ブラーヴォ」のように「ラ」を強く発音する方が近いです。
話がそれました。ブリトーの語源である"burro"「ロバ」という語は、さかのぼるとラテン語の"burrus"「赤茶色の」に由来するそうですが、恐らくはロバの体色が連想されたのだと思われます。
なぜ「小さなロバ」がブリトーなのか?
ブリトーの語源は、"burro"「ロバ」にあるというわけでした。
とはいえ、なぜ「小さなロバ」が食べ物の名前に使われたのでしょうか。
これには諸説あるようです。
ブリトーは先述の通り肉や野菜を生地でくるんだロール状の食べ物ですが、その形状がロバの背負う荷物の形と似ていたからという説。
もう1つは、生地の上に具材が乗った見た目が荷物を背負っているロバの姿と似ていたからという説です。
というのも、ブリトーの形状は以下の引用によると現在一般的なロールタイプではなく、本来は焼いた生地のうえに具材を乗せたものであったようです。
The original recipe in Erna Fergusson's Mexican Cookbook was more like a modern tostada, made from corn cakes with a depression pressed in the center, then filled with chicharrones and baked.
対訳:エルナ・ファーガソン著「メキシカン・クックブック」におけるオリジナルレシピは、中央部を凹ませたコーンの生地にチチャロンを詰めて焼いたもので、現代のトスターダに近いものでした。
(出展:Online Etymology Dictionary)
なお、チチャロンとは豚の皮を揚げた食べ物なのだそうです。
荷物の形に似ていたのか、荷物を背負ったロバに似ていたのか、いずれにせよブリトーの語源にはロバが関係していたのですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はブリトーについて調べてみました。
その語源は"burrito"「小さなロバ」に由来しているということで、今後コンビニ等で見かけた際にはロバ(またはその背負う荷物)をイメージしてみてください。
また興味深い発見があれば、当ブログで取り上げていきたいと思います。