英語"Turkey"「七面鳥」は、トルコでは何と呼ばれている?

2024/11/14

単語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

日本ではあまり馴染みのない「七面鳥」ですが、米国では11月の感謝祭"Thanksgiving Day"やクリスマス"Christmas Day"の日に「七面鳥」を食べるのが伝統です。

今回は、「七面鳥」の英語"turkey"について調べてみたいと思います。


なぜ「七面鳥」は英語で"turkey"なのか?

"turkey"とは、アジアとヨーロッパにまたがる国"Turkey"「トルコ」から来ています。ところが七面鳥の原産は北アメリカだといいます。

なぜ北アメリカの鳥に「トルコ」の名前がつけられたのでしょうか。

語源を紐解いてみると、実は"turkey"はもともと「七面鳥」ではない別の鳥を指していました。

It is by 1540s in English in reference to the guinea fowl (Numida meleagris), a bird imported from Madagascar via Turkey,

対訳:1540年代には、マダガスカルからトルコ経由で持ち込まれたホロホロ鳥(Numida meleagris)を指す英語でした。

(出典:Online etymology dictionary、以下同じ)

ところが、その後に北アフリカ(当時はオスマントルコ帝国の領土)経由で七面鳥が持ち込まれると、"turkey"はホロホロ鳥から七面鳥を指す単語へと変わっていったのです。

なぜホロホロ鳥から七面鳥へと意味が変わってしまったのでしょう。その理由は以下の通り。

The word turkey was applied to it in English 1550s because it was identified with or treated as a species of the guinea fowl, and/or because it got to the rest of Europe from Spain by way of North Africa, then under Ottoman (Turkish) rule.

対訳:1550年代に英語turkeyが「七面鳥」の意味に使われるようになったのは、ホロホロ鳥の一種として識別または扱われたため、及び当時のオスマントルコ帝国領の北アフリカを経由してスペインからヨーロッパ各地に広まった為です。

ホロホロ鳥と七面鳥が似ていたことや、トルコ経由で持ち込まれた鳥だからという背景があったのですね。

ちなみに、"turkey"という名前を明け渡してしまったホロホロ鳥は何と呼ばれているかというと、"Guinea fowl"(直訳「ギニアの鳥」)という名が与えられました。


「七面鳥」はトルコでは何と呼ばれている?

北米が原産の七面鳥が、当時の勘違いなどが関係して"turkey"という名となり今に至っていることが分かりました。

それでは、トルコでは七面鳥を何と呼んでいるのでしょうか。

まさか彼らは自分たちの国を七面鳥の原産地だとは思っていないでしょう。

そこで英語版Wiktionaryで調べてみると、トルコ語では"hindi" [ヒンディ]というのだそうです。

もうピンと来ている方もいらっしゃるかもしれませんが、"hindi"とはもともと「インド(の)」がルーツです。

つまりトルコでは七面鳥のルーツは、インドだと思わているということでしょうか。

調べてみると、他にも同じようにインドにまつわる表現をする言葉がありました。

フランス語の"dinde" [ダンド]、または"dindon" [ダンドン]です。

この"dinde"、"dindon"の由来は次の通りです。

In the early period following the discovery of the Americas (i.e., the Indies), the French called turkeys coq d’Inde, poule d’Inde (literally “hen from India”), etc.

対訳:アメリカ大陸(インド諸島)の発見からしばらくの間、フランス人は七面鳥をcoq d’Indepoule d’Inde(直訳で「インドの鶏」)等と呼んでいました。

(参照:en.wiktionary.org/wiki/dinde

当時、新大陸がインドだと勘違いされたのは有名な話ですが、結果的に現代語の七面鳥の表現にまで影響を及ぼしているのは面白いですね。


ポルトガル語の「七面鳥」はどこから?

さらにさらに調べてみると、ポルトガル語では七面鳥のことを"peru" [ペルー]と表現するのだそうです。

"Peru"は南米にある世界遺産マチュピチュなどで知られた国ですが、なぜポルトガル語では"peru"と呼ばれるのでしょうか。

From Peru (“Peru, also frequently used as a pars pro toto to refer to all the Spanish settlements in America”).

対訳:国名Peruから(Peruは、アメリカ大陸におけるスペイン人の入植地全体を指す語としてしばしば用いられました)。

(参照:en.wiktionary.org/wiki/peru

由来としては、ペルーから七面鳥がやってきたからというわけでは無く、かつてはペルー=スペイン人の入植したアメリカ大陸全般を指す言葉だったという背景があったのですね。

引用中にあるように、こうした表現を"pars pro toto"(ラテン語)「一部で全体を表す」と言います。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、「七面鳥」の外国語における表現について調べてみました。

英語では"turkey"「トルコ」、トルコでは"hindi"「インド」、ポルトガル語では"peru"「ペルー」と様々な地名があてられているのは面白いですね。

今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。

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様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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