【雑学】マーガリンの語源は、あの宝石だった?

2024/04/10

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

2022年にLINEリサーチが実施したパンに関するウェブ調査によると、「ふだん、食パンを食べるときに、塗っているものは?」という調査の第1はマーガリンだったそうです。

歴史を遡るとバターの代替として誕生したマーガリンですが、その名前の由来は何でしょうか。

今回は、マーガリンについて調べてみました。


マーガリンの語源は、ある宝石から?

パンに塗るものとして人気第1位に輝いたマーガリンは、英語で"margarine"と表記します。

この単語は実はある宝石に由来するそうです。

Borrowed from French margarine, from acide margarique (“margaric acid”), from Ancient Greek μάργαρον (márgaron, “pearl”), in allusion to its pearly lustre, with the suffix -ine, influenced by glycérine (“glycerine”). French chemist Michel Eugène Chevreul named margaric acid after its pearl-like crystallization.

対訳: フランス語margarineからの借用、acide margarique「マーガリン酸」から、古代ギリシャ語margaron「真珠」に由来、真珠のような光沢から。語尾-ineglycérine「グリセリン」の影響から。フランスの化学者Michel Eugène Chevreulが真珠ような結晶化にちなんでmargaric acidと名付けました。

(出典:en.witkionary

マーガリンの光沢性の表面は確かに「真珠」の色を思い起こしますね。


真珠に由来する女性名とは?

マーガリンの名前のルーツはギリシャ語"margaron"「真珠」まで遡ることができました。

他にもギリシャ語の「真珠」から派生した語があります。

それが英語圏の女性名"Margaret"「マーガレット」です。

fem. proper name (c. 1300), from Old French Margaret (French Marguerite), from Late Latin Margarita, female name, literally "pearl," from Greek margaritēs (lithos) "pearl," which is of unknown origin.

対訳:女性の固有名(1300年頃)、古フランス語Margaret(現代フランス語Marguerite)、後期ラテン語Margaritaから、女性名、原義は「真珠」、ギリシャ語margarites (lithos)「真珠」に由来、ただし起源不詳。

(出典:Online etymology dictionary

この名前は欧米語圏のそれぞれの言語で広く用いられています。

スペイン語圏では"Margarita"「マルガリータ」ですが、その女性名をとって名付けられたのがカクテル「マルガリータ」とされています。

またイタリア語圏では"Margherita"「マルゲリータ」ですが、19世紀のイタリア王妃マルゲリータにちなんで名づけられたピザが「マルゲリータ」とされています。

「マーガリン」、カクテルの「マルガリータ」、そしてピザの「マルゲリータ」はどれも突き詰めれば「真珠」にルーツを持っていたとも言えますね。


ギリシャ語"margaron"「真珠」の由来とは?

さて、マーガリンや女性名マーガレットのルーツとなったギリシャ語ですが、その起源は分かってはいないようです。

ただ権威ある英語辞典や言語学者からは東洋の言葉由来の説が取り上げられています。

OED writes, "probably adopted from some Oriental language". Beekes writes, "An oriental loanword, mostly assumed to be from Iranian" and cites Middle Persian marvarit "pearl."(中略)He also reports a suggested origin in Iranian *mrga-ahri-ita- "born from the shell of a bird" = "oyster."

対訳:Oxford English DictionaryOED)によると「恐らく東洋の言語から取り入れられたもの」。Beekes氏(注:オランダ出身の言語学者)によると「東洋からの外来語で、主にイランから来たと思われる」とし、中期ペルシア語marvarit「真珠」を引用している。(中略)同氏はまた、イラン語の*mrga-ahri-ita-「鳥の殻から生まれた = 牡蛎」が語源として示唆されていることも伝えている。

(出典:Online etymology dictionary

貝から獲れる真珠ですが調べてみるとその歴史は古く、現在のアラブ首長国連邦の首都アブダビ沖のマラワ島の建築物後から発見されたものが世界最古とされているそうです。

その推定年代は何と紀元前58005600年!

はるか昔、オリエント世界からその名前と共に真珠がギリシャにもたらされたのかもしれませんね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、マーガリン(英:margarine)の語源について調べてみました。

ルーツのギリシャ語からは女性名マーガレット(英:Margaret)の派生にもつながっており、単語の広がりや関連性で面白い発見がありました。

今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。

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Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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