ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
10月になりました。
少しずつ日中の暑さも和らぎ、「スポーツの秋」という言葉もあるように、体を動かすには良い季節になりましたね。
私は毎週末に近所の比較的大きな公園の周囲をジョギングしています。
ジョギングは、ランニングのように息切れするくらいまで走りこむ必要は無いながら、きちんと筋力や筋肉量の維持や向上ができるのでおすすめだと思います。
英語"muscle"の語源は小さな○○!?
ところで筋肉のことを英語では"muscle"と言いますが、この語源を調べてみると興味深い発見があったので紹介します。
Online
etymology dictionaryによると、ある動物に由来するというのです。
from Latin musculus "a muscle," literally "a little mouse," diminutive of mus "mouse"
対訳:ラテン語musculus「筋肉」、文字通りには「小さなねずみ」、mus「ねずみ」の指小語
出典:Online
etymology dictionary
ラテン語で「ねずみ」を意味する"mus"に、小さいという意味を与える指小辞"-culus"がついた形であることから、文字通り「小さなねずみ」となるわけです。
指小辞"-culus"を持つ単語は、他にも現代英語で多く見られます。例えば、"molecule"「分子」や"circle"「円」などです。
またラテン語"mus"は、現代英語"mouse"「ねずみ」に通じます。
では、なぜ筋肉が小さなねずみとなったのでしょうか?
小さなねずみが「筋肉」となったわけ
その理由もまた、Online
etymology dictionaryにて解説されています。
So called because the shape and movement of some muscles (notably biceps) were thought to resemble mice.
対訳:一部の筋肉(特に上腕二頭筋)の形状と動きがねずみに似ていると考えられたため、このように呼ばれるようになった
出典:Online etymology dictionary
上腕二頭筋は肘より上の部分の、いわゆる「力こぶ」と呼ばれる部分です。
ねずみは昔から身近な存在だったのかもしれませんが、筋肉の命名にねずみが連想されたというのはなんだか可愛らしい話ですね。
また、筋肉とねずみの連想はラテン語以外でも見られることが示唆されています。
The analogy was made in Greek, too, where mys is both "mouse" and "muscle,"
対訳:その類推はギリシャ語でも行われ、mysは「ねずみ」と「筋肉」両方の意味を持つ
Cornish logodenfer "calf of the leg," literally "mouse of the leg."
対訳:コーンウォール語logodenfer「脚のふくらはぎ」、文字通りには「脚のねずみ」
出典:Online etymology dictionary
コーンウォール語とはイングランドの南西端にある地域で話されていた言語です。
ギリシャ、ラテン、コーンウォール語とヨーロッパの異なるエリアの言語において、同じような類推が見られているのは面白いですね。
「マッチョ」と"muscle"は関係ある?
よく鍛えられた身体や筋肉美を誇る人に対して、「マッチョな」という形容詞が用いられることもあります。
この「マッチョ」は、やはり"muscle"と関係しているのでしょうか。
調べてみると、「マッチョ」はスペイン語"macho"に由来し英語を通して日本でも使われるようになったようです。
"macho"はラテン語"masculus"に由来します。
"musculus"「筋肉」と、最初の母音のみ異なることに注意してください。
どちらも"-culus"という指小辞を伴っていますが、"macho"の由来となった"masculus"の方は、ラテン語"mas"「オス、男」を意味する単語がベースとなっています。
指小辞のついた"masculus"は形容詞で「オスの」という意味です。元は単に性別を示す形容詞であったのが、時代と共に男性的なイメージからたくましさや筋肉美を指す言葉になったものと思われます。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は英語"muscle"「筋肉」の語源について紹介しました。
文字通りには「小さいねずみ」が由来というのが、何とも可愛らしいですね。
ラテン語で、「小さい」という意味を添える指小辞"-culus"は、現代英語では"-cule"や"-cle"という語尾に受け継がれています。
そうした語尾を持つ単語について調べてみると、今回のように意外な元の意味にたどり着くことがあるかもしれません。
今後もそのような事例があれば紹介していきたいと思います。