ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
今回は政治にまつわる内容です。
とはいえ、当ブログは政治関係をテーマとしたものではありません。あくまで取り上げるのは、政治にまつわる単語に関してその語源に関する内容です。
ここ最近の政治関係のニュースと言えば、先月末の自民党新総裁の選出や今後あるであろう衆院総選挙が大きなトピックではないでしょうか。
各種メディアには「立候補者」らが登場し、それぞれの政策について話されている場面を度々目にしました。
ところでこの「立候補者」、英語では"candidate"と表現しますが、その語源をご存知でしょうか。
英語"candidate"の語源とは?
「立候補者」を意味する英語"candidate"ですが、その語源は何でしょうか。
Online
etymology dictionaryを紐解いて、そのルーツを調べてみましょう。
from Latin candidatus "one aspiring to office," originally "white-robed,"
対訳:ラテン語candidatus「公職を志す者」、元は「白衣をまとった」
出典:Online
etymology dictionary
ラテン語の時代から「立候補者」の意味が伺えますが、その元は「白衣をまとった」という意味にあるようです。
なぜ、「白衣」から「立候補者」へと変化したのでしょうか。
White was the usual color of the Roman toga, but office-seekers in ancient Rome wore a gleaming white toga (togacandida), probably whitened with fine powdered chalk, presumably to indicate the purity of their intentions in seeking a role in civic affairs.
対訳:白色はローマ人のトーガ(注:古代ローマにおいて着用された一枚布の上着)の一般的な色であったが、古代ローマで公職を志す者はおそらく石灰の微粉末で着色した白く輝くトーガを身にまとった。これはおそらく市政に参加する意図が純粋であることを示すためであろう。
出典:Online
etymology dictionary
要するに、不正や悪意の意図が無く純粋な良心で政治に参加しようとしていることを身を以て表すためだったということですね。
日本語でも「潔白」という言葉がある通り白色には一般的に良いイメージがありますが、そのイメージは洋の東西を問わず同じだったのでしょう。
「立候補者」と「ろうそく」が同じルーツ!?
元は「白色」を指していた"candidate"は、そのルーツを遡るといろいろな関連語を見つけることができます。
そもそもこの単語は、印欧祖語の語根"*kand-"「輝く」にルーツあることが分かっています(出典:online etymology dictionary)。
同じく"*kand-"にルーツを持つ英単語には、以下のようなものがあります。
candid「率直な、正直な」
candle「キャンドル、ろうそく」
chandelier「シャンデリア」
この内"chandelier"はフランス語からの借用語ですが、ルーツが同じであることに変わりはありません。
ここに挙げた単語は一例ですが、3単語とも「輝く」や「白い」という意味に関係深いことは明らかですね。
"candidate"「立候補者」と"candle"「ろうそく」が、同じルーツに端を発する単語というのは面白いですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は英語"candidate"「立候補者」の語源について紹介しました。
古代ローマ時代の衣装が由来だったという、なんとも深い歴史があったというのは驚きです。
つい丸暗記になってしまいがちな語彙を増やすという作業ですが、今回のようにそのルーツまで遡ってみると関連する他の単語も覚えることができるかと思います。
結果として"candidate"が"candle"と同じルーツだったという、日本語の意味だけを見ていたら恐らく気づけないだろう事実の発見は、語学への興味関心をより一層高めてくれることとも思います。
今後も気になる単語やルーツがあれば紹介していきたいと思います。