ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
中学英語の学習項目の一つ、現在完了や過去完了の「完了形」は苦戦された方も多いのではないでしょうか。
英語では完了形の用法として「完了」以外に「経験」や「継続」があったり、過去の時点を意味する副詞が併用できなかったりというルールがあり、そもそも日本語には無い時制であることも厄介ですね。
ドイツ語の完了形とは?
完了形は英語だけに限らず、ヨーロッパの言語に概ね存在します。
英語と同じゲルマン系の言語であるドイツ語にも存在します。ただ、用法に違いがありドイツ語の完了形は英語のように「継続」の意味で用いられることはありません。
ドイツ語における「継続」は、現在形で表現します。
また、ドイツ語においては過去形と同じように現在完了形が用いられます。英語では御法度である過去を意味する副詞(例えば「昨日」)と併用しても間違いではありません。
完了形の表し方
ドイツ語における完了形の表し方は、英語のそれと一部同様です。
すなわち、現在完了であれば以下の公式が言えます。
英語 have + 動詞の過去分詞形
ドイツ語 haben + 動詞の過去分詞形
have / haben [ハーベン]はともに「持っている」という意味の動詞ですが、完了形を示す助動詞として使われます。
ただし、上で「一部同様」と書いた通り、ドイツ語における完了形の助動詞は必ずしも"haben" + 過去分詞形をとるわけではありません。
もう1つ、"sein" + 過去分詞形で表される場合もあるのです。
"sein"とは、英語"be"に相当する動詞(コピュラ)です。
完了形に"haben"と"sein"のどちらを使うかですが、以下の使い分けが基準です。
haben の場合:他動詞、再帰動詞
sein の場合 :移動や状態変化を表す自動詞、その他
他動詞とは目的語を必要とする動詞のこと、再帰動詞とは自分自身(独:sich [ズィヒ])を目的語にとる動詞のことです。自動詞は目的語を必要とせず、"SV(主語、動詞)"のみで完結可能な動詞ですね。
原則は"haben"を用いて、一部の例外は"sein"を用いると考えてもいいかもしれません。
なお、完了形で"sein"を用いる動詞は以下の通り。
移動に関する動詞:gehen「行く」kommen「来る」fahren「(乗り物で)行く」
fliegen「飛ぶ」fallen「落ちる」
状態変化に関する動詞:sterben「死ぬ」werden「なる」aufstehen「起きる」
その他:sein「である」bleiben「留まる」
"haben"か"sein"か、動詞の用法で考えるべし
完了形の助動詞として"haben"か"sein"か、上に使い分けを示しました。
ところで、これを動詞ベースで覚えてしまうと危険です。
例えば"fahren"「(乗り物で)行く」という動詞。上では完了形で"sein"を用いる動詞だと紹介しました。
しかし"fahren"は、"haben" + 過去分詞形により完了形を表す場合が実はあるのです。
なぜでしょう? カギは動詞の用法にあります。
上で挙げた"fahren"の意味「(乗り物で)行く」は、自動詞の用法です。移動を表す自動詞なので、"sein" + 過去分詞形のパターンに当てはまりますね。
ただし"fahren"は、「~を運転する」のように目的語を必要とする他動詞の用法も持ち合わせているのです。
他動詞であれば、上で見たように"haben" + 過去分詞形のパターンです。
機械的に"fahren"の場合は"sein"だと覚えてしまうと落とし穴にはまってしまうので、気を付けたいところです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はドイツ語における完了形の表現についてまとめてみました。
ドイツ語では過去のことを言う場合にも過去形ではなく現在完了形を用いる傾向があり、英語以上に完了形を操る機会が多いと言えます。
助動詞は"haben"か"sein"か、使い分けをはっきりと認識して間違えずに使えるようにしておきたいですね。