クリスマスの挨拶はなぜ「メリークリスマス」なのか?

2024/11/25

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

早いもので今年も終わりが近付き、あと一ヶ月ほどもすればクリスマスです。

クリスマスシーズンの定番の挨拶と言えば「メリークリスマス」でしょう。

ところで、この「メリー」という単語、ここでの挨拶以外ではあまりお目にかかる機会や使う場面も無いように思います。

果たして「メリー」とは何なのか、なぜクリスマスの挨拶で使われているのか、今回は調べてみたいと思います。


「メリー」の意味とは?

まずは「メリー」という単語の意味についてみてみましょう。

英語で"merry"とつづり、辞書によると「陽気な、快活な、お祭り気分の、浮かれた」等の意味が掲載されています(参照:プログレッシブ英和中辞典)。

ということは、"Merry Christmas!"「メリークリスマス」は「陽気なクリスマスを(楽しんでください)」のような挨拶だというわけです。


「メリー」の語源とは?

次に「メリー」の語源を調べてみると、元の意味は今のものとは異なっていたようです。

from Proto-Germanic *murgijaz, which probably originally meant "short-lasting," (compare Old High German murg "short," Gothic gamaurgjan "to shorten"), from PIE root *mregh-u- "short."

対訳:恐らく本来は「短期間の」という意味のゲルマン祖語*murgijazから(古高ドイツ語murg「短い」、ゴート語gamaurgjan「短くする」と比較せよ)、印欧祖語の語根*mregh-u-「短い」に由来。

(参照:Online etymology dictionary

もとは「短い」という意味だったのですね。これが現代の意味へとシフトしたのは、「楽しい時間はあっという間に過ぎる(短い)」という感覚からの発展なのだそうです。


なぜ「メリークリスマス」という挨拶なのか?

英語圏での日常的な挨拶は"Good morning"や"Good evening"のように"Good ~"が多いですね。

他には、"Happy New Year!" や"Happy Easter!" のように"Happy ~"ではじまる季節の挨拶もあります。

しかし挨拶で"Merry ~"が登場するのは、おそらく"Merry Christmas"くらいではないでしょうか。

なぜクリスマスの挨拶は"Merry Christmas"なのか?

このサイトによると興味深い話がありました。

Historians believe it might boil down to a simple grammatical lesson. "Happy" is a word that describes an inner emotional condition, while "merry" is more of a behavior descriptor—something active and maybe even raucous. Consider, for example, the free-spirited act of "merry-making" versus the state of simply "being happy."

対訳:歴史家たちは、結局のところ単なる文法的な説明に帰着すると考えています。”Happy”は内面の感情の状態を表す単語ですが、”Merry”は行動を表す単語であり、活発さや騒々しさをも表します。例えば、”merry-making「楽しく過ごす」という自由気ままな行動と、単に”being happy「幸せである」という状態を比べてみて下さい。

(参照:www.countryliving.com/life/a37128/origin-of-merry-christmas/

「幸せだ」という内面的な感情を表す"Happy"よりも、動的な感覚のある"Merry"が"Christmas"には相応しいと考えられたのでしょう。

寒く夜も長い冬季にあって、クリスマスは昔から気持ちだけでなく行動の面でも明るい影響を与えるものだったのかもしれませんね。

ちなみに、同サイトによると"Merry Christmas"という表現は少なくとも1534年には見られることが、当時の日付入りの手紙から確認できているそうです。

また"Merry"ではなく"Happy Christmas"というフレーズも間違いではありません。そう言えば、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの曲に"Happy Christmas [the War is over]"というタイトルがありますね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は"Merry Chrsitmas"というフレーズについて調べてみました。

今ではこのフレーズ以外であまりお目にかからない"Merry"ですが、語源やニュアンスを知ると"Merry Christmas"に込められた意味が分かるような気がします。

今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。

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Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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