ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
「かわいい」という表現は、英語"cute"から入った「キュート」という単語がある一方で日本語の「かわいい」が"Kawaii"として海外へ広がっています。
今回はこの「かわいい」という表現に関して、いろいろと調べてみました。
英語"cute"の語源とは?
「かわいい」という意味では英語"cute"から取り入れられた「キュート」が日本でも以前から使われています。
この"cute"ですが、語源を調べてみると実は別の形容詞から派生しているのだそうです。
1731, "clever, sharp, smart," shortening of acute; informal sense of "pretty" is by 1834, American English colloquial and student slang.
対訳:1731年、「賢い、鋭い、鋭く切れる」、acuteの省略形で「かわいい」という意味は1834年にはアメリカ英語の口語や大学生の俗語に見られる。
(出典:Online
etymology dictionary)
"acute"は現代英語でも「鋭い」という意味で用いられる単語です。
「鋭い」と「かわいい」では全く異なる意味ですが、かわいいもの・人に対する胸が痛むようなときめきが由来と考えると分かりやすいですね。
また日本には「胸キュン」という表現もあります。「キュン」という擬態語から胸が締め付けられるイメージが想起されますが、英語"cute"の音と似ているのが面白いですね。
英語と日本語の間で、音とイメージが類似している好例と言えます。
ロシア語"кавай"の活用とは?
日本は「かわいい」という表現に関して英語"cute"から借用する一方で、"Kawaii"を世界に広めました。
Wikipediaでは「かわいい」という記事が日本語をはじめ40の言語で作成されています。
その中の一つに、ロシア語の記事"кавай / каваий"があります。
ラテン文字で表記すれば、"kavaj /
kavaij"であり、[カヴァーイ(イ)]のように発音されます。
ロシア語固有の音には「ワ行」音が無いので、「ヴァ」で代用されるのですね。
また本来の「かわいい」は形容詞ですが、ロシア語"кавай"は名詞扱いです。
ところでロシア語の名詞は、文中における働きに応じて格変化します。
外来語の中には例外的に変化しない例もあるようですが、この"кавай"はロシア語風に格変化します。
ru.wiktionaryによるとその変化形は以下の通りです。
主格 кавай [カヴァーイ]
kavaj
生格 кавая [カヴァーヤ]
kavaja
与格 каваю [カヴァーユ]
kavaju
対格 кавай [カヴァーイ]
kavaj
造格 каваем [カヴァーィエム]
kavajem
前置格 кавае [カヴァーィエ]
kavaje
格変化とは日本語の表現における助詞(てにをは)を付与するようなもので、主格であれば「かわいいは」、生格であれば「かわいいの」、与格「かわいいに」・・・のような用法になります。
格が変わってしまうと、もはや日本語の「かわいい」からは想像もつかない音になってしまいますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、「かわいい」にまつわる単語について調べてみました。
英語から日本語に取り入られた"cute"の語源、日本語からロシア語に取り入れられた"кавай"の用法など調べてみると興味深い発見がありました。
今後もこうした発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。