英語"company"と"mate"の語源に共通する「ある物」とは?

2023/12/18

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

英語"company"は一般的に「会社」の意味でよく用いられます。

日本の企業名も、英文表記では"Company"(略:Co.)が使われていますね。

ところで、"Company"は「仲間」という意味でも用いられます。

 例)He is a good company.「彼は一緒にいて楽しい人(良い仲間)だ」

実は、この"company"は「ある物」が語源に関わっています。

今回は"company"という語の成り立ちについて調べてみましょう。


英語"company"の語源とは?

Online etymology dictionaryによると、その語源は以下の通りとされています。

mid-12c., "large group of people," from Old French compagnie "society, friendship, intimacy; body of soldiers" (12c.), from Late Latin companio, literally "bread fellow, messmate," from Latin com "with, together" + panis "bread,"

対訳:12世紀半ば「人々の大きな集まり」、古フランス語compagnie「団体、親交、親密さ、兵士の集団」(12世紀)←後期ラテン語companio「(原義)パン仲間、食事仲間」←ラテン語com「共に、一緒に」+panis「パン」から。

(出典:Online etymology dictionary

食べ物、とりわけパンをともに食べる者が「仲間」のルーツでだったというわけですね。


英語"mate"もやはり「食べ物をともにする者」から?

実は、"company"とそっくりな成り立ちを持った単語が英語にはもう1つあります。

それが"mate"です。

「チームメイト」や「クラスメイト」のように日本にも取り入れられた外来語ですが、やはり「仲間」という意味で用いられる単語です。

Online etymology dictionaryで語源を尋ねてみましょう。

mid-14c., "associate, fellow, comrade;" late 14c.,"habitual companion, friend;" from Middle Low German mate, gemate "one eating at the same table, messmate," from Proto-Germanic *ga-matjon, meaning "(one) having food (*matiz) together (*ga-)."

対訳:14世紀半ば「団体、仲間、同志」、14世紀後半「いつもの仲間、友人」、中低ドイツ語mategemate「同じテーブルで食べる者、食事仲間」←ゲルマン祖語*ga-matjon「ともに(*ga-)食事をとる(*matiz)もの」から。

(出典:Online etymology dictionary

"mate"も成り立ちを見ると"com"+「食べ物」という構成であることが分かります。ただし現代では、"com-"に相当する"ge-"*ga-)は脱落しました。

さて、"mate"の語源になった*matiz「食べ物」は現代英語である食べ物のルーツでもあります。それは何でしょう?


本来は広く「食べ物」を意味した"meat"

実は、ゲルマン祖語の*matizは"meat"「肉」という語のルーツでもあるそうです。

Online etymology dictionaryによると以下の通り解説されています。

Middle English mēte, from Old English mete "food, nourishment, sustenance" (中略)," from Proto-Germanic *mati, from PIE *mad-i-, from root *mad- "moist, wet," also with reference to food qualities,

対訳:中英語のmēte、古英語mete「食べ物、栄養、生命を維持するもの」(中略)、ゲルマン祖語*mati、印欧祖語*mad-i-、語根*mad-「(食べ物の質感が)しっとりした、湿った」から。

(出典:Online etymology dictionary

語源を遡ると、広く「食べ物、栄養」という意味であったことが伺えます。

それが時代を経ると意味が限定され、現代の「肉」という意味になります。

Narrower sense of "flesh of warm-blooded animals killed and used as food" is attested from c. 1300 (中略) In Middle English, vegetables still could be called grene-mete (15c.) and white meat was "a dairy food or product" (early 15c.).

対訳:「食用とされた定温動物の肉」という狭義は1300年頃から見られる。(中略)中英語の時代、野菜はまだgrene-meteと呼ばれ(15世紀)、「乳製品」はwhite meatだった(15世紀初め)。

(出典:Online etymology dictionary

その昔は、野菜が"grene-mete"「緑の食べ物」、乳製品が"white meat"「白い食べ物」とされていたのですね。

ほかにフランス語"viande"という単語でも「食べ物」→「肉」という意味への変化が見られるようですが、英語もフランス語からの影響を受けたのでしょうか。

「食べ物、栄養」としての「肉」の貴重さや重要性が現代よりも高かったのかもしれず、そうした観点から変化したのかもしれませんね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、"company"と"mate"という単語について調べてみました。

ラテン由来の単語もゲルマン系の単語もどちらも「食事をともにする」という概念が「仲間」の意味に派生しているのが面白いですね。

そう言えば、日本語でも「同じ釜の飯を食う」とか「寝食を共にする」という表現がありますね。

今後も語源にまつわる興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。

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Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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