英語みたいな見た目のドイツ語6選!

2023/04/19

ドイツ語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

英語とドイツ語は言語学的に「西ゲルマン語群」というグループに属しているとされ、共通のルーツに端を発することもあり語彙の面でよく似た単語が散見されます。

簡単な例で言えば、英語でもドイツ語でも「指」のことは"Finger"、「手」は"Hand"とつづります。

このようにつづりと意味が同じ単語というのは、ドイツ語学習者にとってこれまでの英語の知識が役立つ好例と言えます。

ところが同じつづりであっても英語とドイツ語で全く異なる意味を持つ単語も、やはり存在します。

今回は興味深い単語を6つ取り上げてみました。

英語とドイツ語、混乱しないよう見比べてもらえたら幸いです。


1.gut

英語では[()]、ドイツ語では[グート]のように発音します。

音は異なりますが、つづりが同じ"gut"はそれぞれの言語で以下の意味を持ちます。

 英語  :[] 腸、内臓

 ドイツ語:[] 良い(英"good"

英語の"gut"は、日本語では根性や気合といった意味で使われる複数形"guts"「ガッツ」の方が目にするかもしれません。

ドイツ語"gut"とはつづりが同じとは言え、品詞や意味は全く異なるので注意しましょう。


2.elf

"elf"はつづりが同じであることはもちろん、発音も英語とドイツ語ともに[エルフ]となります。

ただし意味は異なるので注意しなければなりません。それぞれの言語では以下の意味を持ちます。

 英語  :[] 妖精

 ドイツ語:[] 11(英"eleven"

英語"elf"はその意味からファンタジー等、目にする機会は限られるかもしれませんがドイツ語"elf"はよく目にする単語です。

ドイツ語で"Elfmeter" [エルフメーター]と言えば、サッカーにおけるペナルティキック(PK)のことを指します。

これはゴールから11メートル離れた位置からPKを蹴るというサッカーのルールに由来する表現です。


3.arm

その発音はカナ表記すれば英語[アーム]、ドイツ語[アルム]となります。

ただドイツ語[アルム]のル、つまり"r"の発音は要注意です。

音声学的には「口蓋垂摩擦音」という音だそうですが、のどの奥をごろごろ震わせてしわがれた「ハ行」のような音を出すイメージです。

英語と違う"r"の発音に注意しつつ、その意味の違いも気を付けましょう。

 英語  :[] 腕

 ドイツ語:[] 貧しい

ただしドイツ語では同音同綴語"Arm"が「腕」を意味する単語でもあります。

品詞が異なるので文脈から間違うことはないと思いますが、要注意ですね。

ちなみに、ドイツ語の名詞は常に語頭を大文字で表記するというルールがあります。

そのため(文の先頭を除く)文章中において"Arm"という表記であれば、それは名詞としての用法であることが分かります。


4.rock

その発音は、英語、ドイツ語ともにカナ表記では[()]となりますが先述の通りドイツ語のr音は英語と異なりしわがれた「ハ行」のような音につき要注意です。

また、その意味は英語とドイツ語で以下のように全く異なります。

 英語  :[] 岩、岩石

 ドイツ語:[] スカート

たまたまつづりが英語とドイツ語で同じになったというだけで、両者のルーツに関連はありません。

「岩」を意味する"rock"はラテン語"rocca"から英語に入っており、「スカート」を意味する"Rock"は「編む」や「紡ぐ」という意味が原義であるゲルマン系の単語をルーツとしています。

シンプルなつづり故にたまたま同じ単語になってしまったという好例と言えます。


5.rat

英語では[()]、ドイツ語では[ラート]のように発音します。

繰り返しながらドイツ語の"r"音には要注意です。

意味はそれぞれ以下の通りです。

 英語  :[] ねずみ

 ドイツ語:[] 助言、忠告

ドイツ語で「ねずみ」は"Ratte" [ラテ]と表現します。英語"rat"と似て非なるので気を付けましょう。

ちなみに、ひとくちに「ねずみ」といっても種類などで2通りの表現が存在します。

英語だと"rat"と"mouse"です。

"rat"は大型のねずみ(ドブネズミなど)に対し"mouse"は小型のねずみ(ハツカネズミなど)と呼称が分かれます。

この区別はドイツ語でも同様にあり、それぞれ"Ratte"と"Maus"となります。

小型のねずみを指す方は英語とドイツ語でどちらもカナ表記するのならば[マウス]のような音です。


6.See

発音はそれぞれ英語で[スィ―]、ドイツ語で[ゼー]のような音です。

ドイツ語は基本的にローマ字読みで対応可能ですが一部注意を要する音があり、子音"s"は母音を伴うと常に「ザ行の」の音になります。

山登りで用いられるロープのことを「ザイル」と呼ぶことがありますが、これはドイツ語由来で"Seil"とつづります。

話がそれました。同じつづりの"see"は、英語とドイツ語でそれぞれ以下の意味になります。

 英語  :[] 見る、会う

 ドイツ語:[] 湖

ちなみに、ドイツ語の"See"「湖」は語源的に英語"sea"「海」と同じルーツを持っています。

ところがその意味になるとドイツ語の「湖」に対し英語は「海」と、全く異なります。

その点でも要注意です。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語とドイツ語を比べて見た目のそっくりな単語を6つご紹介しました。

他にも同様の例は多数あります。ルーツも含めて調べてみると新たな発見もあるかもしれません。

今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。

【参考】

Giftという単語は英語では「贈り物」ですがドイツ語では…。

・英語gang「ギャング」と同じつづりのドイツ語Gangは街中でよく見るあの単語です。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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