ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
先週11月17日(木)はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日でした。
ワインに関して詳しくない私でも名前は知っているくらいのボージョレ・ヌーヴォーですが、フランス語で"Beaujolais nouveau"と表記します。
パリ南東部、ブルゴーニュ地方の中の"Beaujolais"という地区でその年に収穫されたぶどうで醸造された新酒"nouveau"が名前の由来です。
ワインは紀元前4000年頃、コーカサスのジョージアやアルメニアの辺りが発祥だそうですが、長い間飲まれてきたこともあってか各言語において諺にも登場しています。
今回は、4か国語におけるワインにまつわる諺を紹介したいと思います。ワインのお供になれば幸いです。
1.英語"wine" [ワイン]
英語において以下の諺に"wine"が登場します。
Wine
in, truth out.
意味は「ワインが入ると、真実が出る」となります。
一時は飲みニケーションという言葉も聞かれましたが、お酒が入ると酔いや高揚感から本音が出やすくなるものですよね。
そんな状況を表した諺と言えます。簡潔で覚えやすいですね。
2.フランス語"vin" [ヴァン]
ワインと言えば冒頭で取り上げたボージョレ・ヌーヴォーもそうですが、フランス産の種類は有名ですね。
フランス語ではワインを"vin"とつづり「ヴァン」のように発音します。
フランス語には"vin"を用いた次のような諺があります。
Quand
le vin est tiré, il faut le boire.
意味は「ワイン(の栓)が引き抜かれたら、飲まねばならない」となります。
これは日本語で言えば「乗りかかった船」に相当する表現です。
要するに、一度物事を始めたからには途中でやめるわけにはいかないことを例えています。
とは言え、飲み過ぎには注意したいところですね。
3.イタリア語"vino" [ヴィーノ]
ワインの産地としてイタリアもまた有名だと思います。
イタリア語でワインは"vino"、「ヴィーノ」のように発音します。
そんなイタリア語ではワインにまつわる諺もいくつか見つかりましたが、今回は次の1つを紹介します。
Buon
vino fa buon sangue.
意味は「よいワインはよい血を作る」となります。
日本語でも昔から「酒は百薬の長」という言葉があり、飲酒と健康効果の関係を示唆する表現ですね。
ワインに多く含まれるポリフェノールという成分は、抗酸化作用や発がん抑制、血行を良くする等の効果が分かっているそうで、確かに「よいワインはよい血を作る」と言えるのかもしれませんね。
ただし飲み過ぎはアルコールの摂取量が増えることにもつながりますので、やはりほどほどで楽しみたいところですね。
4.ドイツ語"Wein" [ヴァイン]
最後に紹介するのはドイツ語"Wein"、「ヴァイン」のように発音します。
ドイツと言えばビールのイメージが強いのでフランス産やイタリア産に比べて名前を聞く機会は少ないかもしれません。
しかしドイツにもモーゼルやフランケンと言ったワインの産地がある他、ワインと香辛料などを温めて作る"Glühwein"「グリューヴァイン」がクリスマスシーズンのドイツにおける名物であったりします。
そんなドイツにおける"Wein"にまつわる諺が以下です。
Wein auf Bier, das rat’ ich dir; Bier auf Wein, das lass
sein.
意味は「ビールの後のワインは勧められるが、ワインの後のビールはやめておけ」となります。
"Bier"「ビール」も登場するところがドイツ語らしい(?)かどうかはともかく、これはどんな内容が示唆されているのでしょうか。
調べてみると、この諺は特に飲む順番について言及したものではないようです。
Tatsächlich stammen die Sprüche aus einer Zeit, in der sich arme Menschen allenfalls Bier leisten konnten. Wein dagegen war den Reichen vorbehalten. "Wein auf Bier" beschrieb daher den sozialen Aufstieg – ein guter Rat. Die Gegenrichtung (Bier auf Wein) hingegen beschrieb den Statusverlust. Klarer Fall: besser sein lassen!
(参照:wineamigos.de/blogs/weinwissen/weinmythos-wein-auf-bier)
この諺は、昔の人々にとってビールやワインがどのような扱いだったかに由来しているようです。
昔、貧しい人々"arme Menschen"はビールしか飲むことができませんでした。
ワインはお金持ちの人々"die Reichen"の飲み物だったのです。
そんな背景を照らし合わせてみると、「ビールの後のワイン」という順番は貧乏からお金持ちへの発展と言い換えることができますが、逆に「ワインの後のビール」ではお金持ちから貧乏への転落になぞらえられる、だからやめておけというわけです。
今の時代にはそぐわない内容かもしれませんが、こうした諺から当時の時代背景が読み取れるというのは面白いですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は各言語におけるワインにまつわる諺を紹介しました。
諺は昔から伝えられてきた人々の知恵や教訓が含まれている他、ローカルな物事の考え方や時代背景も伺えるので調べてみると面白い発見があるかもしれませんね。
今後も興味深い発見があれば当ブログで紹介してみたいと思います。