ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
最近たまたまドイツ語の教科書を手に入れることがありました。
出版年月日が2020年なので見た目とても新しいです。
アルファベットと発音の仕方に始まって初級文法が一通り収載されています。
恐らく大学の授業で使われていたものだと思いますが、思い返せば十数年前には私も大学でドイツ語を学んでいました。
当時の教科書は手放してしまいましたが、語学の教科書というのは数年で内容が大きく変わるものでもありません。
大学時代を思い出しながら教科書を眺めてみました。
複数形の作り方は5パターン
ドイツ語学習で苦労する点に名詞の性を個々に覚えなくてはならないというのが挙げられるかもしれません。
それに加えて数、とりわけ単数から複数形の変化もドイツ語は多様です。
英語では少数の例外を除いてほぼ全てで語尾に"-s"を付ければ複数形が出来上がります。
一方でドイツ語には大きく分けて5通りのパターンがあります。
1.語尾-e 例:der Tag → die
Tage「日」
2.語尾-en 例:die Zeit → die
Zeiten「時間」
3.語尾-er 例:das Kind → die
Kinder「子ども」
4.語尾-s 例:das Auto → die
Autos「車」
5.無語尾 例:der Onkel → die Onkel「叔父」
※例の各単語の前につく、"der / die / das"は定冠詞です。性、数に応じて形が異なります。
※パターン1および3では幹母音が変音(ウムラウト)することもあります。
どのパターンで複数形を作るか、名詞の性や語尾の形でおおよそ推測をつけることもできますが基本的には個々に覚える必要があります。
ちなみに個人的な感覚ですが教科書や参考書を見比べると単語の例こそ異なりますが、大抵上に挙げた1~5の順序が多いように思います。
この順番が昔からのセオリーだったのかもしれませんね。
パターン4の代表例"das Auto"
単語の例は教科書や参考書によるとはいえ、大抵同じ単語で示されるパターンもあります。
それが4の語尾-s型における、"das
Auto"「車」です。
そもそも語尾に"-s"がつく例はドイツ語固有の単語ではありません。英語などの外来語に由来する単語です。
このパターンで頻出する"das Auto"も、元はフランス語"automobile"からの借用が前半部分だけに短縮された形です。
フランス語もまた複数形は語尾に"-s"をつけることが基本ですので、ドイツ語もその方式を踏襲していると言えます。
ところが最近手に入れた教科書では語尾"-s"の例に見慣れない単語が挙がっていました。
新たな例"das Etui"とは?
その教科書には語尾"-s"の代表例に"das
Etui"という語が挙がっていました。
"das
Auto"同様に他の言語からの借用だと思われますが、見たことがありませんでした。
一体どんな意味なのでしょうか?
(平たく小さな)入れ物、(眼鏡・タバコなどの)ケース
(参照:kotobank.jp/dejaword/Etui)
発音は[エトゥヴィ]のような感じで、[ヴィ]にアクセントがあります。
この単語はフランス語からの借用語で、本家フランス語"étui" [エテュイ]もやはり「(眼鏡やタバコの)ケース」という意味や「(銃の)ホルスター」であるようです。
また、カタカナで「エテュイ」で検索してみるとブランドの小物入れが結果に上がってきました。
昨今は日本語に於いても英語に限らず様々な言語からの外来語が増え、旧来の表現から置き換わっている例も見受けられます。
以前であれば「小物入れ」や「眼鏡ケース」と呼んでいたものも、「エテュイ」という表現が広まっていくかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は最近の教科書を見ていて出会った新たな単語について調べてみました。
「新たな」というもののドイツ語"das Etui"は18世紀にはフランス語から借用されており、長い歴史があるようです。
語学関係は数年で大きく内容が変わることもないと高をくくっていましたが、細かなところで新たな発見もあることも確かだと思います。
学校から離れると教科書に触れることも無くなってしまいますが、機会があれば覗いてみると新たな発見があって面白いと思います。