「ポニーテール」「カクテル」・・・いろいろなテールを調べてみた!

2022/04/20

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

今回は、「尻尾」を意味する英語tailを含む単語について調べてみたいと思います。


「ポニーテール」を英語で何と言う?

後頭部で1つにまとめた髪を垂らしたヘアスタイルを指す、ポニーテール。

英語でも"Ponytail"と呼ばれるようです。

その語源はシンプルで、小型の馬を指す"Pony"「ポニー」と"tail"「尻尾」の複合形です。

1950, from pony (n.) + tail (n.).

(出典:Online etymology dictionary

また、その歴史は浅く1950年頃の新語のようです。

下ろした髪がポニーの尻尾によく似ていることが語源であろうとは容易に想像つきますが、尻尾の形そのものは"Horse"「馬」も同じではないかと思います。

では何故"Horsetail"では無く"Ponytail"となったのでしょう?

"Pony"の方が小型でかわいいからでしょうか。

ところが、調べてみると"Horsetail"は既に別の単語として存在していました。

c. 1400, from horse (n.) + tail (n.). As a kind of plant, from 1530s.

対訳:1400年頃、名詞horseと名詞tailから。植物の1種として、1530年代から。

(出典:Online etymology dictionary

日本語では「トクサ(砥草)」という名前だそうです。束になった茎の姿が馬の尻尾に似ているとされたのかもしれませんね。


「ツインテール」を英語で何と言う?

髪を後ろで1つに下ろせばポニーテールですが、2つに分けて両サイドで下ろしたヘアスタイルはツインテールと呼ばれます。略語の「ツインテ」という表現もありますね。

では、これは英語で何と言うでしょう?

"Twintail"でしょうか?

残念ながら「ツインテール」は和製英語であり、そのため"Twintail"という英単語はありません。

英語では"Pigtail"と言うそうです。

ポニーテールに対して、"Pig"「豚」の"tail"「尻尾」というのは何だかあまり良いイメージが湧きませんね(失礼)

この語源は何でしょうか?

1680s, "tobacco in a twisted roll," from pig (n.1) + tail (n.). So called from resemblance. Meaning "braid of hair hanging down the back of the head" is from 1753, when it was a fashion in polite society;

対訳:1680年代、「(細い)ねじりたばこ」、名詞pigと名詞tailから。その姿が似ていることから呼ばれた。「頭の後ろのお下げ髪」という意味は1753年から、当時それは上流社会のファッションの1つだった。

(出典:Online etymology dictionary

由来はポニーテール同様、その見た目が豚の尻尾に似ていることに因るようです。

古くからある単語ですが元の意味は「ねじりたばこ」を指していました。

非喫煙者の私にはイメージが湧かないのですが、筒の中で豚の尻尾のようにクルクルとねじられたたばこの葉っぱが由来でしょうか。

髪型を指す用法はそれから約70年後の登場ですが、当時はツインテールというより単にお下げ髪を指していたようですね。


「カクテル」を英語で何と言う?

3つ目に取り上げるテールは、ヘアスタイルでは無くお酒に関するテール、カクテル。

英語では"Cocktail"と言います。

"Cock"は雄鶏という意味で、「雄鶏の尻尾」ということになります。

ヘアスタイルはその姿が尻尾と似ていることが由来としてイメージできますが、お酒の由来に鶏はどう関係するのでしょう?

いくつかの説があるようですが、当記事ではOnline etymology dictionaryで取り上げられている2つの説を紹介したいと思います。

1.エッグカップに由来するという説

日本ではあまり馴染みがありませんが、エッグカップという食器があります。

名前の通り卵を入れる容器ですが、ワイングラスのように脚つきだったり装飾が施されていたり様々あるようです。

ヨーロッパでは半熟卵やゆで卵を食べるときに一般的に使われます。

では、それがどうして"Cocktail"「カクテル」の由来になったのでしょうか?

In New Orleans, c. 1795, Antoine Amédée Peychaud, an apothecary (and inventor of Peychaud bitters) held Masonic social gatherings at his pharmacy, where he mixed brandy toddies with his own bitters and served them in an egg-cup.

対訳:ニューオーリンズで1795年頃、アントワーヌ・アメデ・ペショーという薬剤師(およびペショー・ビターズの発明者)が、フリーメーソンの集会を自身の薬局で開いていました。そこで彼はブランデートディにペショー・ビターズを混ぜた飲み物をエッグカップに入れて提供していました。

(出典:Online etymology dictionary

引用中のbitters「ビターズ」とは、『カクテルに苦味をつけたり、香りや色を良くしたりする目的で使用される』ものだそうです(参照:wikipedia/ビターズ)。

ブランデーにビターズを混ぜる行為は、まさにカクテルの作り方と言えそうです。

そして、提供に用いたエッグカップをフランス語では"Coquetier" [コクティエ]と言うことから、転じて"Cocktail"「カクテル」になったという説です。

Peychaud「ペショー」なる人物は、現在のハイチ(当時フランスの植民地)からアメリカに移住した方であり、そのためにフランス語が起源になっているというものです。

2.馬の尻尾に由来するという説

続いて紹介する説は、馬の尻尾に由来するというものです。

"Cock"「雄鶏」の話でなぜ馬が登場するのでしょうか?

from cocktail "horse with a docked tail" (one cut short, which makes it stand up somewhat like a cock's comb) because such a method of dressing the tail was given to ordinary horses, the word came to be extended to "horse of mixed pedigree" (not a thoroughbred) by 1800, and this, it is surmised, was extended to the drink on the notion of "adulteration, mixture."

対訳:cocktail「短く切られ(鶏のとさかのように上にはねた)尻尾の馬」に由来、そうした尻尾の手入れは並みの馬になされた為、1800年までに「(サラブレッドではない)混合血統の馬」という意味が拡大し、更に「混ぜ物、混合物」という意味で飲み物も意味するようになったと推測される。

(出典:Online etymology dictionary

「短く切られた馬の尻尾が鶏のとさかのようだから」という何とも遠回りな説ですが、純粋な血統以外の馬がルーツとなっているというものです。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語で"tail"「尻尾」を含む単語について調べてみました。

"Pony"や"Pig"等の尻尾について考えましたが尻尾を持つ動物はたくさんいるので、もしかしたら他にも"○○tail"という表現はあるかもしれませんね。

外国語学習の息抜きとして、いろいろな単語を調べてみたり語源を尋ねてみたりするのも面白いと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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