「テレワーク」の「テレ」。その意味と関連語彙を覚えましょう!

2021/05/20

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

新型コロナウイルスの世界的感染拡大を背景に、私たちの日常生活がいろいろと変化しています。

そうした変化を表現する用語として、新語も見聞きされるようになりました。

例えば、「3密」「ニューノーマル」「テレワーク」…等。

今回の記事では、そんな新しい用語の1つ「テレワーク」について、当ブログらしく言葉の面からフォーカスしてみたいと思います。


「テレワーク」の意味とは?

従来のようにオフィスなど固定の場所で働き続けるのではなく、カフェや自宅など職場を離れて様々な場所で勤務することを可能とする働き方が「テレワーク」ですね。

この単語は、接頭辞"tele"と名詞"work"という2つの言葉から成り立っている単語です。

"work"は「仕事」を意味する英語ですね。

"tele"は、「テレワーク」という単語の他にも見られる接頭辞です。

この接頭辞"tele"について、"Online Etymology Dictionary"では以下のように解説されています。

word-forming element meaning "far, far off, operating over distance" (also, since c. 1940, "television"), from Greek tele "far off, afar, at or to a distance," related to teleos (genitive telos) "end, goal, completion, result," from PIE root *kwel- "far" in space or time.

ギリシャ語で「遠い、離れた」という意味を持つ単語が、英語において接頭辞の役割を担うことになったことが分かります


接頭辞"tele"を持つ語彙を覚えよう!

では英語において接頭辞"tele"のついた語彙を、他にも探してみましょう

1."television"「テレビジョン」

ネット社会とはいえ、テレビはまだまだ主要なメディアの1つです。

この単語は"tele+ フランス語"vision"「視覚」に由来します。

私はてっきり英語由来かと思っていましたが、フランス語が初出のようです。

英語版wiktionaryの語源の項目よると、以下の通り解説されています。

From télé- ‎(“far off”‎) +‎ vision ‎(“seeing”‎), first used by Constantin Perskyi in a paper ("Télévision au moyen de l’électricité") read to the International Electricity Congress at the International World Fair in Paris on August 25, 1900.

1900825日、フランスのパリで開催された国際万国博覧会(いわゆる万博)で発表された論文上の使用が最初とのことです。

テレビの映像によって、「離れた」ところからでも情報を「視る」ことができるということですね。


2."telephone"「テレフォン」

テレビよりも前に発明されていたのがテレフォン、つまり電話です。

これは"tele" + ギリシャ語"phone※"「音」に由来します。

ギリシャ語アルファベットでは"φωνή"。

「離れた」ところの「音」をつなぐ機器ということですね。


3."telepathy"「テレパシー」

思考や心情が「離れた」場所へ直接伝達されるというのは、SFの世界観等で見られる設定ですね。

そんな超能力的な力がテレパシーです。

これは"tele" + 英語の接尾語"-pathy"に由来します

接尾語"-pathyの由来は、これまたギリシャ語で「受難」や「感情」を意味する"pathos(ギリシャ語アルファベット:"πάθος")です。

接頭語も接尾語も、どちらも遡ればギリシャ語由来の単語でできているということになります。

ちなみに、接尾語"-pathy"は他の接頭語を持つ別の単語もあります。一緒に覚えてしまいましょう。

 接頭語"syn-"「共に」 "-pathy "sympathy"「共感」

 接頭語"anti-"「反対の」 "-pathy"  "antipathy"「反感」…等。


4."teleportation"「テレポーテーション」

思考や心情の伝達だけでなく物体の移動を瞬時にできたらどんなにいいか、一度は想像することがあると思います。

それがテレポーテーション(瞬間移動)ですね。

これは"tele" + 英語"(trans)portation"「輸送」に由来します。

ちなみに、東京に「東京テレポート駅」という名前の鉄道駅が存在します。

印象的な駅名ですが、残念ながらテレポートができたりテレポートで行けたりする場所というわけではありません。

駅名は、駅が所在する臨海副都心エリアにおける開発事業計画の愛称「東京テレポートタウン」に由来するそうです。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回の記事では接頭辞"tele"という意味を調べ、同じように"tele"を持つ語彙を取り上げました。

テレビジョンなどの日常的な機器からテレパシーなど超能力的な用語にまで、さらには新語「テレワーク」にも使われるなど多くの語彙が見つかりましたが、その由来は英語に限らずギリシャ語やフランス語といったものもありました。

接頭語や接尾語に着目すると、そこから関連語彙や派生語を増やすことができます。

今後も、語源とともに紹介していければと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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