【雑学】"bridal"は名詞"bride"からの派生形では無い?

2024/07/03

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

英語において接尾辞は、元の単語から異なる意味や品詞等を派生させるという重要な働きをします

例えば、動詞"bat"「打つ」に接尾辞"-er"をつけて名詞"batter"「打つ人、バッター」が派生したり、名詞"act"「活動」に接尾辞"-ive"をつけて形容詞"active"「活動的な」が派生したりといった具合ですね。


名詞や形容詞を派生する接尾辞"-al"

冒頭で挙げた例の他に、接尾辞"-al"もまた多くの単語で見受けられます。

 arrive「到着する」 → arrival「到着」

 propose「提案する」→ proposal「提案」

上は動詞から名詞が派生した例ですが、接尾辞"-al"は他に形容詞の派生でも使われます。

 addition「追加」→ additional「付加的な」

 nation「国家」 → national「国家の」

これらは接尾辞"-tion"を持つ名詞に更に接尾辞"-al"がついて派生した形容詞であり、二重で接尾辞がついた単語といえます。

では、次の例はどうでしょうか。

 bride「新婦」 → bridal「新婚の」


"bridal"の語源とは?

上で挙げた"bride" "bridal"ともによく知られた単語だと思います。

前者は「ジューンブライド」、後者は「ブライダルフェア」などの表現で、外来語としても馴染みがあるでしょう。

"bridal"という形容詞は、一見すると名詞"bride"に接尾辞"-al"がつくことで派生した語に思えます。

ところが、語源を尋ねてみると実はそうではありません。

Online etymology dictionaryによると、以下の説明があります。

c.1200, transferred use of the noun bridal "wedding feast,"

対訳:1200年頃、名詞bridal「結婚の祝宴」から用法が変化

(出典:Online etymology dictionary

何と、"bridal"はもともと今のように形容詞ではなく名詞だったのです。

実は"bridal"の語尾"-al"は接尾辞の"-al"ではありません。以下をご覧ください。

from Old English brydealo "marriage feast," from bryd ealu, literally "bride ale".

対訳:古英語brydealo「結婚の祝宴」、bryd ealu、原義「花嫁のエール」から。

(出典:Online etymology dictionary

もともと語尾"-al"は接尾辞ではなく名詞"ale"だったというわけでした。"ale"「エール」とはビールの一種です。日本風に言えば、祝い酒でしょう。

2つの名詞からなる複合語だったのが時代を経る中で接尾辞の"-al"と間違われ、現代の形容詞の用法に落ち着いたのですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語の接尾辞の話から、"bridal"という単語について調べてみました。

現代の形容詞としての用法からは、予想もつかない語尾"-al"のルーツが隠れていました。

今後もこうした興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。

Translate

このブログを検索

プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

お問合せフォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ