ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
語学、中でも英語学習は中学の授業を起点にすれば私はかれこれ十数年学んできていると言えます。
ただ当然ながら今でも皆目見当のつかない単語や熟語に毎日直面します。
とはいえ、もはや辞書を確認するまでも無いという単語もまた存在します。
初歩的または基礎的な単語がそうですが、個人的に具体例を挙げるとすれば"than"という英単語でしょう。
今回は、この"than"について考えてみたいと思います。
英語"than"の意味、用法とは?
改めて思いめぐらしてみると、この"than"という単語は何とも不思議です。
多くの方にとって"than"との出会いは、中学の英語クラスでの「比較級の表現」という項目の時ではないでしょうか。
例えば「ジョンは太郎よりも背が高い」は、英語で"John
is taller than Taro."と表現するのだと教わりました。
英語の比較級は、形容詞や副詞によって大きく2通りの表現方法があると言われした。
語尾に"-er"をつける(例"tall" → "taller")方法と、単語の前に"more"を置く(例"friendly" → "more
friendly")方法です。
そのため授業や確認テストでは、形容詞や副詞を適切な方法で比較級に変換できるかが問われることが中心だったと記憶しています。
「~よりも」の部分は"than"を用いるという解説でおしまいです。
そして、それ以降の授業で再び"than"が取り上げられることはありませんでした。
要するに"than"は比較級の「~よりも」を表現する語以外の何物でもなかったわけで、改めて調べてみる必要もなかったと言えます。
では、辞書ではどのように定義されているのでしょうか?
人生で初めて"than"を辞書で確かめてみると、以下の通り記載されています。
Conjunction
・Used in comparisons, to introduce the basis of comparison.
対訳:「接続詞」比較で用いられ、比較の元を示す。
Preposition
・Introduces a comparison, and is associated with comparatives, and with words such as more, less, and fewer.
対訳:「前置詞」比較を示し、比較級またはmoreやless、fewerなどと結びつく。
(参照:en.wiktionary)
やはり日本語「~よりも」に相当する意味のみであると言えます。
用法は「接続詞」と「前置詞」の2通りに分かれていました。これは更に調べると、最近は口語において「前置詞」ととれる用法が見られるからだそうです。
本来、上で見た例文"John is
taller than Taro."のように"than"は「接続詞」です。
もともと"than"以下は"Taro
is tall."が省略されており、前半"John is taller."と同じSVCの構文を接続する働きが"than"だからです。
ところが"than"以下が代名詞の場合、例えば"than I (am…)"であるところ口語では"than me."という表現の方が一般的になってきました。
要するに"John is
taller than me."となり、"than"が「接続詞」であれば続くべき"SV…"という文では無くなったため、「前置詞」として扱うことになったという経緯があるようです。
「前置詞」はその名の通り、名詞(句)の前に置く品詞ですね。
比較表現「~よりも」は常に"than"でいいのか?
改めて調べてみると、"than"は「~よりも」という意味だけ押さえておけばよいと思われました。
では逆に、「~よりも」は常に"than"でよいと言えるのでしょうか?
これが残念ながらそうではありません。
例えば、次の表現を見てみます。
This
computer is superior to that one.
「このコンピュータはそれよりも優れている」
このように、"superior"という形容詞の場合は"than"ではなく"to"を用いて比較の元を示さなければなりません。
ちなみに、"to"は「前置詞」なので後には名詞(句)を置くことになります。
このように、比較元を"to"で表す形容詞には以下の単語があります。
superior to より優れている
inferior to より劣っている
senior to より年上の
junior to より年下の
major to より大きい
minor to より小さい
prior to (時間・順序が)より前の
posterior to (時間・順序が)より後の
以上の8語はどれもラテン語に由来する単語です。
また語尾がどれも"-or"という形ですが、これはラテン語における比較級の語尾に由来します。
例えば"superior"の場合、原級"superus"「上の」に比較級語尾がついて"superior"「より上の」が成り立っているのです。
比較級が一般的な語尾"-er"や"more"を置く形ではなく、"-or"である場合は接続詞の"than"ではなく前置詞"to"を用いる点に注意しましょう。
もしくはラテン語由来ではない別の形容詞に置き換えてみてもいいかもしれませんね。
例 superior to → better
/ greater / higher than等
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は英語における比較級の表現で目にする"than"について考えてみました。
「~よりも」の表現以外ではなかなかお目にかからない"than"ですが、一方で「~よりも」が常に"than"で表現できるかというとそうでもないので気を付けないといけませんね。