ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
言葉というのは様々な用法を持っていることが多いので、例えば単語が英語と日本語で常に1対1対応にはならないのが外国語学習の難しさだと思います。
今回取り上げる英語"fine"という単語は、形容詞としての顔が一般的ですが名詞として登場することもあります。またそれぞれの用法において、相当する日本語の表現は多岐にわたります。
ただ、豊富な意味を持つ単語であっても語源を辿ればルーツは同じだったりします。
それでは早速"fine"について調べてみましょう。
形容詞"fine"の意味を確認
まずは形容詞として使われる場合を見てみましょう。
1品質のすぐれた、完璧な
2混じり物のない、澄んだ、純度の高い、高潔な
3技術のすぐれた
4上品な
5美しい、華美な
6(反語)結構な、(強意)まったくの
7とても元気な
8晴天の
9鍛え上げた、引き締まった
(参照:コトバンク『プログレッシブ英和中辞典(第4版)の解説』から)
どうでしょう?いきなり9通りもの用法が飛び出しました。
"fine"と言えば、初級英語で学ぶ”I’m fine.”や”a
fine day”などが思い浮かびましたが、引用によればそれは7から8番目の用法だとのこと。
しかも形容詞の用法はこれだけに留まりません。更に引用します。
10粒の細かい、きめの細かい
11細い、鋭い
12〈印面・網目などが〉細かく美しい
13込み入った、精巧な
14微妙な
15繊細な
(参照:コトバンク『プログレッシブ英和中辞典(第4版)の解説』から)
1から9までは「優れた」というイメージが中心でしたが、10から15までは「細かい」というイメージが中心になります。
15通りの日本語が英語では"fine"の1語で表現できるというのはすごいですね。
名詞"fine"の意味を確認
続いて名詞として使われる場合です。
1罰金、科料
2《法律》封土保有付随負担金
(参照:コトバンク『プログレッシブ英和中辞典(第4版)の解説』から)
名詞の用法は、意味こそ多くはありませんが形容詞のイメージとは異なります。
それら全てが同じ"fine"という単語で表現できるというのは何とも不思議です。
これはどういうことでしょうか?それぞれの語源を尋ねてみたいと思います。
形容詞"fine"のルーツとは?
まずは形容詞の場合です。
from Latin finis "that which divides, a boundary, limit, border, end" (see finish (v.)); hence "acme, peak, height,"
対訳:ラテン語finis「分割するもの、端、制限、境界、終わり」に由来(動詞finishを参照)、そこから「絶頂、頂点、高み」となる。
(出典:Online
etymology dictionary)
形容詞"fine"のルーツは「端、終わり」にあるということで、引用中にあるように動詞"finish"「終える、終わる」と関連するということです。
このルーツを覚えておけば、一見意味が異なるように感じる「優れた」と「細かい」がよりはっきりとイメージしやすくなるのではないでしょうか。
つまり、
「端、終わり」→「究極まで」→高められ「優れた」or分けられ「細かい」
というように考えることができます。
名詞"fine"のルーツとは?
では今度は名詞形のルーツを探ってみましょう。
c. 1200, "termination, end; end of life," from Old French fin "end, limit, boundary; death; fee, payment, finance, money" (10c.), from Latin finis "end"
対訳:1200年頃、「期限、終わり、最期」、古フランス語fin「終わり、期限、境界、死、料金、支払、金融、お金」(10世紀)から、ラテン語finis「終わり」に由来
(出典:Online
etymology dictionary)
何と名詞"fine"「罰金」も、そのルーツは形容詞"fine"と同じであるとされています。
もう少しルーツを読み解いてみましょう。
Modern meaning "exaction of money payment for an offense or dereliction" is via sense of "sum of money paid for exemption from punishment or to compensate for injury"
対訳:現代語の意味「違反や怠慢に対する金銭の支払い」は、「罰を免れるため、または傷害を補償するために支払われるいくらかのお金」という意味を経ています。
(出典:Online
etymology dictionary)
要は「お金で解決(終わらせる)」ということでしょうか。
ルーツの「端、終わり」が発展した結果、名詞"fine"「罰金」が生まれたというのはとても面白いですね。
つまり、
「端、終わり」→「お金で解決(終わらせる)」→「罰金、科料」
というように考えることができます。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回の記事では英語"fine"について調べました。
形容詞の場合と名詞の場合・・・用法と意味がとても豊富な単語ですが、そのルーツは同じところから発展しているというのは面白いですね。
複数の用法や意味をただ暗記するのは大変ですが、ルーツを知ればより簡単になるのかもしれませんね。
今後も興味深い発見があれば取り上げていきたいと思います。