「バッハ」「ワーグナー」「シュトラウス」・・・作曲家の名前の意味を知っていますか?

2021/04/01

ドイツ語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

突然ですが、私は歌うことがあまり得意ではありません。また、リコーダーやピアノなど楽器の演奏も苦手でした。

そもそも音程が取れない(つまり音痴)というのもさることながら、リコーダーの指づかいは一向に覚えられませんでした。

そのため私にとって学生時代の音楽の授業はあまり楽しいものではありませんでした。

ただ自分で歌ったり演奏したりが不得手な一方、音楽を聴くことは大好きです。 

学生時代はお気に入りの曲をせっせとMDに録音して、プレーヤーで四六時中聴いていました。今でも何か作業する時にはBGMがあった方が、逆に集中して取り組めます。

また楽器の演奏は不得手ながら、音楽の授業では名曲を聴いたり音楽史を学んだりといった内容もあり、全くの苦手教科というわけでも無かったのかなとも思います。

ところで、音楽の授業などを通して多くの方も知っている有名な「作曲家」たちの名前も、実は外国語学習を始めるきっかけになると思っています。

そこで今回の記事ではドイツ語圏出身の「作曲家」たちの名前に絡めて、ドイツ語の紹介をしていきます。


ヨハン・ゼバスティアン・バッハ

まずは最も有名な作曲家の1人、バッハです。とても印象に残る髪型の肖像画で知られる人物ですね。

日本ではミドルネーム・セバスティアンの「セ」を濁らず表記する場合もありますが、現代のドイツ語発音に則れば、「ゼ」と濁点つきの発音がいいと思います。

バッハの作品では「G線上のアリア」が有名ですね。「G線」とはバイオリンの弦の1つを指しているのだそうです。

また「G」はドイツ語では「ゲー」と読まれますので、ドイツ語風に読めば「ゲー線上のアリア」となります。

話が逸れました。バッハは、ドイツ語で"Bach"とつづります。

名字としてはもちろん固有名詞になるのですが、"Bach"という単語は実はもともと一般名詞です。

その意味は「小川」です。

つまり、"Bach"さんは日本語風に言えば「小川」さんということになります。

土地に由来する苗字ということでしょうか。ご先祖は「小川」のそばに住んでいたのかもしれませんね。


ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

もう1人、ドイツを代表する作曲家がベートーヴェンです。

"Bach"と同じく、名前も肖像画での姿もよく知られていますね。「運命」や「第九」、「エリーゼのために」など、有名な作品も多く残ります。

ベートーヴェンはドイツ語で"Beethoven"とつづります。現代のドイツ語では、ベートホーフェンという発音の方が近いです。

"Beethoven"は、ドイツ語"beet"「ビート、甜菜」と"hoven"「庭」という2つの単語から構成されています。

"Bach"と同様、土地由来の苗字ということでしょうか。彼のご先祖は甜菜を育てる庭を所有していたか、もしくはその近くに住んでいたのかもしれませんね。


リヒャルト・ワーグナー

続いては、数々のオペラを残した作曲家ワーグナーです。 

ドイツ語では"Wagner"とつづり、また発音も現代ドイツ語ではヴァーグナーと発音した方が近いです。

この単語も、元はやはり一般名詞です。ドイツ語"wagen"「車」に "-er"「~する人」という語尾を付けてできあがった形です。

"wagen"「車」 という単語は、ドイツの自動車メーカー"Volkswagen"「フォルクスワーゲン」にも見られます。

前半の"Volks"は「国民の」という意味で、同社の名前は「国民の車」ということになります。また現地の発音も「フォルクスヴァーゲン」の方がより近いです。

話が逸れましたが、"Wagner"は「車を作る人」のような意味です。

もっとも"Wagner"が生きた時代より前には現在のような自動車の形はありませんので、馬車の荷車などを作る人というのがイメージとしては近いかもしれません。

これまでに取り上げた"Bach"や"Beethoven"が土地に由来する名字だとすれば、この"Wagner"は職業に由来する名字と言えそうです。

作曲家として名をはせた"Wagner"も、先祖はもともと荷車をつくる職人の家系であったのかもしれませんね。


ヨハン・シュトラウス

最後に取り上げるのは、「ワルツの父」として知られるウィーン出身の作曲家シュトラウスです。

ドイツ語で"Strauß"とつづります。最後の文字"ß"は「エスツェット」と呼ばれる、ドイツ語で用いられる文字です。

ドイツ語では、通常"s"に母音が続くと「ザ行」の発音になります。バッハの項目で、「セバスティアン」より「ゼバスティアン」の方が発音的に良いとしたのも、"Sebastian"とつづられるためです。

「エスツェット」はそんなドイツ語において、後に母音が続いても常に「サ行」で発音されます。

話が逸れましたが、この"Strauß"も元は一般名詞です。

ところが、この単語は同じつづりで2つの意味が存在します。1つは「花束」、もう1つは「ダチョウ」です。

これまでの3人の名字と比べると、土地とも職業とも関係が無さそうですね。

個人的には、「花束」さんという苗字が素敵だと思うのですが、どうやら「ダチョウ」の方に由来があるそうです。

シュトラウス家の家紋にも実際に「ダチョウ」が描かれているそうで、どのような紋章かが英語版のwikipediaで確認することができます。

(参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Strauss)


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、ドイツ語圏の有名な作曲家の名字からドイツ語を紹介してみました。

日本にも様々な種類の名字が存在し、多くが土地や職業が関係しているものかと思いますが、ドイツ語圏においても似たようなものなのかもしれませんね。

他にも名字を調べてみると面白い発見があるかもしれません。今後も新たな発見があれば紹介していきたいと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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