ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
私たちが外国語を学習する場合、母国語とは異なる表現方法や文法項目というものを大抵乗り越えなくてはなりません。
例えば、日本語には1人称の表現として「私」「僕」「自分」「俺」「拙者」・・・と、TPO や時代背景によって様々存在しますが、英語では基本的に"I"の一択です。
一方、動詞の活用だったり名詞の格変化だったり、単数・複数の区別や冠詞の用法など・・・日本語にはない文法項目が必須であったりします。
今回の記事では、ドイツ語のある動詞を例に挙げ、私が学習していて感じた日本語との表現の違いや、その覚え方を紹介したいと思います。
動詞"helfen"の意味は?
ドイツ語に"helfen"という動詞があります。
基本単語の1つです。同じゲルマン系のルーツを持つ英語の動詞"help"と似ていますね。
多くの辞書には、「助ける」という意味が掲載されています。
日本語の場合、「助ける」という動詞は主に「私は彼を助ける」という例文のように、助詞「を」が用いられることが多いですね。
ところが、この動詞を日本語のように「~を助ける」のイメージで覚えてしまうと、落とし穴にはまってしまう危険があります。
何故か?以下で解説します。
"helfen"は「自動詞」!
日本語「私は彼を助ける」という例文を、ドイツ語では以下のように表現します。
例1)Ich helfe ihm.
この例1の文を分解してみましょう。主語"Ich"「私は」、動詞"helfe"(不定形"helfen"の活用形)「助ける」、目的語"ihm"「彼に」という3単語で構成されています。
この目的語"ihm"ですが、日本語「彼に」という訳からも分かるように、助詞「~に」という機能を持った単語なのです。
ただ、ドイツ語では名詞の「格」が日本語の助詞のような機能を持ちます。助詞「~に」という機能を持つ格は、「3格」とか「与格」と呼ばれます。
例1のドイツ語作文が間違っているわけではありません。ドイツ語では「助ける」という動詞の対象を、日本語のように助詞「~を」で表現しないのです。
※ちなみに、「~を」という機能を持つ格は「4格」とか「対格」と呼ばれます。
また、ドイツ語の動詞は大きく分けて自動詞と他動詞という2つの種類に分けられますが、"helfen"は自動詞に当てはまります。
他動詞というのは直接目的語(「4格」、助詞「~を」)を必ず伴わなければならない動詞のことを言い、自動詞は直接目的語を伴わない動詞を指します。
"helfen"が自動詞である以上、「4格」を用いることができないのです。
ドイツ語にあった日本語訳を考える
以上から、例1を日本語に直訳すると「私は彼に助ける」という文になるでしょうか。
とはいえドイツ語の動詞に対する格は日本語の助詞と必ずしもイコールではないので、これでは日本語として不自然ですし、何よりドイツ語を覚える際に混乱しかねません。
そこで発想を変えて、日本語訳を別の形で表現してみましょう。そこで"helfen"の、よりドイツ語の機能に近い訳は次の通りです。
「(人)~に手を貸す」
「助ける」という意味と同じ表現で、かつドイツ語の3格「~に」が自然に使えるという点から、よりイメージしやすくなるのではないでしょうか。
さて、手を貸す相手は3格「~に」で表すことは分かりました。では、手を貸す内容はどう表現すればよいでしょうか。
これは前置詞"bei"を用います。例えば上の例1)を応用して、以下の作文ができます。
例2)Ich helfe ihm beim Deutsch lernen.
「私はドイツ語学習に関して、彼に手を貸す」
前置詞"bei"は、「~の側に」などを表すこともありますが、今回のように付随する状況を示すこともできます。例2では、"Deutsch lernen"「ドイツ語を学ぶ」という状況において、「彼に手を貸す」ことが表現されるということになります。
※"beim"はもとの形"bei"に冠詞が結合した形で、前置詞の意味機能としては同じです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回の記事では日本語と異なる表現方法の一例として、ドイツ語の動詞"helfen"の事例を紹介しました。
ただ日本語と外国語の違いについて無理にそのまま受け止めようとするのでは無く、今回のように日本語訳をそれっぽく変換してみることで、より納得して理解がしやすくなるのではないかと思います。
今後もこうした事例について、私の場合の学習方法も含めて紹介していきたいと思います。